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ベトナムモバイル事情 飛び立て! 計画経済の籠の鳥モバイルSIM業界

ベトナム社会主義共和国のモバイル事情に触れてみます。言論の自由がない国ベトナムでのモバイルは自由主義国の我々には未知の事だらけ、報道から伺う業界事情や、現地で体感した事など交えて報告します。プリペイドSIM情報もあります。

目次
記事 / 項目リンク 最終更新日
 ベトナムモバイル業界は籠の鳥の現状 2014/5/13
 ベトナムモバイル実践編 2014/5/13
  ベトナムのプリペイドSIM概要 2015/1/6
  各キャリアのプリペイドSIMデータ
   Viettel SIM
   Vinaphone SIM
   Mobifone SIM
2014/5/16
 社会主義国のモバイル事情:ベトナム編
  1.携帯電話普及状況とOTTサービス問題
  2.OTTサービス規制状況と今後の方向性
  3.モバイル業界いびつ構造と再編成の予兆
  4.ベトナムモバイル業界の向かう先
2014/5/22
 資料編 2014/5/13

■ ベトナムモバイル業界は籠の鳥の現状 ■

社会主義国ベトナムは市場経済を導入したものの、モバイル業界は未だに計画経済の檻の中で”籠の鳥”の境遇に甘んじているようです。ベトナムのモバイル業界が大空に翼を広げて飛び立つ日が来るのでしょうか。
 

Hanoibirdshop_3

                ハノイのバードショップ(鳥は鑑賞用です)

市場原理でなく政治で動くモバイル業界
ベトナムのモバイル事情を理解するには、社会体制、政治・経済の知識が必要です。なぜならベトナムは社会主義国、モバイルはプロパガンダの重要な手段と見做され、言論統制・通信傍受などの対象とされる政治的存在だからです。結果、ベトナムのモバイル業界は市場原理よりも政治や社会体制の流れに従って動く事になります。

政治の制約を受けるモバイル業界とは?
市場経済導入後しばらくは、民間企業や外資参入でモバイル業界に新風が吹き込みましたが、政治と社会体制の壁は厚く、民間企業は鳴かず飛ばずで外資は実質撤退の憂き目となり、業界に市場経済の風が吹く事はありませんでした。

  • 問題が多いベトナムの携帯電話網
    2014年の各キャリア(携帯電話会社)のカバーエリアは、都市部の3G網展開は完了したものの、地方には2G/圏外エリアが多く残り、全体として未完成です。

      
    また都市部の3G網にしても、近年は増大する通信量に対応できなくなり、ピーク時や混雑エリアで接続不能、パケ詰まり、速度低下など問題が度々発生するパンク寸前の様相です。
      Antenna                 市内のタワーは思いの他少ない  

    問題解決が困難な事情
    通信の圏外エリアや飽和問題はモバイル発展途上国なら珍しくない現象で、設備拡充や新技術導入で通信能力を向上させて行けば何れ乗り越えられる問題ですが、ベトナムではそれが困難な事情があるため”籠の鳥”に例えたモバイル業界は問題を解消できません。

    重くのしかかる政治経済体制
    モバイル業界の困難な事情とは、政治と社会体制です。市場経済が有効なら企業間競争が生まれ、キャリアは自発的に設備拡充や新技術導入など問題解決に奔走する筈です。

    しかし市場経済は導入したものの、共産党一党支配下でまともな民間キャリアが育たなかったベトナム市場は、同族意識はあっても競争意識がない国営企業の同窓会の様相で、市場活性化の頼みの綱とされる企業間競争が生まれる素地がありません。

    不幸な事にこの国では、本来一番強い決定権を持ち企業の命運を左右する主役たるべきユーザーは、国営企業独占の売り手市場の中で全ての権限を奪われ、一番粗末に扱われています。

Phoneshophanoi

            端末だけでキャリアの存在感がない携帯ショップ

  • これではキャリアの自発的努力は期待薄で、党や政府の明確な指示・意向がない限り、通信能力向上やモバイル業界発展の動きは生まれません。

Hanoipostal_2                   ハノイ中央郵便局

  • 言論統制や通信傍受もモバイル問題の足枷に
    仮にベトナムの市場経済が有効に機能して市場の問題が片付いたとしても、通信能力向上やモバイル業界発展の動きを阻む要因がまだ残ります。

    それは国民の言論統制や通信傍受の動きです。国民の思想を国家に都合の良い方向に統一させる必要がある社会主義一党独裁政権は、国民に言論の自由を与えていないのと同様に、言論を伝える道具でもある通信に自由を与えていません。

    また通信はプロパガンダの道具でもあり、使い方で政権を脅かす危険を孕むため、利用制限や検閲、傍受で常に政府の監視下に置き管理しています。今後社会主義体制が変わらない限り、通信を自由に解放する見込みはないでしょう。

    結果パンク寸前のモバイル業界ですが、現共産党政権は通信能力拡大で問題を解消する方向でなく、利用制限やサービス縮小と言う市場経済と真逆の方向で抑え込もうとしています。Birdbage_2
  • モバイル業界の発展を望まない?ベトナム政府
    2013年にベトナム政府はLTEなど先進技術導入を2018年まで凍結と宣言しました(2014年5月に凍結期間は2015年までに短縮)。また通信飽和問題はYoutube、TwitterやFacebookなどいわゆるOTTサービスが原因で起きていると名指しした上でサービスの利用制限や遮断を検討している事を公表しました。

    2012年頃のベトナムのモバイル業界は、近隣のタイを周回遅れで追う展開でしたが、2013年頃からはLTE導入5年凍結など戦意喪失の様相で、2014年現在ではタイにリードを3周以上許す戦線離脱に近い様相です。
  • ベトナムはモバイル後進国に転落の危機
    籠の鳥ベトナムモバイル業界が発展するには、まず市場経済を有効に機能させる必要があります。国営キャリアすべて民営化など業界から計画経済の影を一掃する思い切った施策が求められます。

    もしこれができなければベトナムは早晩モバイル後進国に転落するでしょう。

  • 実は鳥籠に入れられているのはモバイル業界でなくベトナム国民です。いつか籠の扉が大きく開かれ、鳥達が大空に羽ばたく姿を見たいものです。

  ベトナムのモバイルの現状、問題点、将来展望については、当記事後半の
  「社会主義国のモバイル事情:ベトナム編」で触れて見ました。 

■ ベトナムモバイル実践編 ■

ベトナムでのモバイルの要となるプリペイドSIMの種類、入手方法、開通・設定作業などの情報です。

 ベトナムのプリペイドSIM概要■

 旅行者がモバイルに利用できるプリペイドSIMは3種類だけ
 旅行者がモバイルで利用するプリペイドSIMの条件は、機能、価格、
 通信・通話料金、入手性が共に優れている事です。

 現在条件に合うプリペイドSIMは、次の3キャリアが販売しています。
 でも・・・・これらは全部国営キャリアなんです。

    Viettel
    Vinaphone
    Mobifone

 ”国営”の文字から連想する、性能が悪い、時代遅れ、利用者無視
 などのイメージの通り、これらキャリアが提供する通信サービスには
 速度や安定性、対応エリアが狭いなど問題があり、モバイルはそこ
 そこできても快適さは期待できません。

 またキャリアが販売するプリペイドSIMはそれぞれ一種類だけなので
 どの目的にも一種類のSIMで対応しなくてはならず、通信はそこそこ
 できたとしても、それ以上の利便性は期待できません。

 この場合、国内電話用、旅行者用、データ通信用、 国際電話用など
 目的や対象を絞ったSIM商品展開があれば利便性がかなり向上する
 筈ですが、そうした動きは今まで一度もなく、利用者に顔を向けてい
 ないキャリアの親方(日の丸)的姿勢だけが目に付きます。

 キャリアはSIMを1種類作り、”文句言わずに使え!”と利用者に押し
 付けている構図です。結局3キャリアは全部これなので、押し付けだ
 と知りながら利用する以外道がない立場の弱い利用者がいるのも
 ベトナムモバイル業界の現状です。

 各SIMには、いくつか利用プランが用意されていて、多少好みのアレ
 ンジができるのがせめてもの救いですが、それで利便性・機能性を
 大きく向上できるまでに至らず、結局不満は残ります。

 まとめると、ベトナムでモバイルに使えるプリペイドSIMは3種類あり
 ます。どれを利用しても通信品質や対応エリアに問題がありますが
 他に選択肢がないのが現状です。

  • 頼れるキャリアは国営3社だけ
    ベトナムにはキャリア(携帯電話会社)が6社ありますが、規模の大きいViettel、Vinaphone、Mobifoneの上位3社が市場の9割を支配しています。これら3社は全て国営企業です。

  • 残り3社は民間企業ですが、全部合わせても市場の一割以下の存在で、国営企業3社に匹敵する機能や利便性を提供する能力がなく、モバイル利用の対象外です。

 結局何を選べばいいの?
 対象となる国営3キャリアは似たり寄ったりので、どれを選んでも大差
 ありませんが、Viettelだけは地方のカバーが良いと言われています。

3carriers_2

  •   Viettel     国営 : 軍公社系     規模 : 業界一位 
       接続状態  : 都市部 △、 地方部 △または○
                  他より若干優れている意味↑
       データ定額 : 料金   △、 データ量  △
     
  •   Vinaphone   国営 : 郵政公社系   規模 : 業界二位
       接続状態  : 都市部 △  地方部    △
       データ定額 : 料金   △、 データ量  △
     
  •   Mobifone    国営 : 郵政公社系   規模 : 業界三位
       接続状態  : 都市部 △  地方部   △
       データ定額 : 料金   △、 データ量  △
  •      注:△○評価は筆者の個人的主観が含まれます。
     

Vietetlarea

 他キャリアが2Gや圏外になる辺境地域でViettelだけが3Gや2Gで接続
 できるケースを何回か確認しています。しかしViettelも万能でなく、ダメ
 な地域はどのキャリアでもダメです。

  結局選び方はこんな感じに 
  移動場所や目的別にSIMの選び方をまとめると次の結果になります。
  何れも似たり寄ったりなので、3キャリアなら適当に・・・が基本です。

   ・都市部だけ利用   3キャリアのSIMならどれでも
                 (どれも時間場所で当り外れ覚悟)
   ・地方利用も考慮   Viettelが若干良い可能性
                 (地方でViettelの圏外率は低い模様)
   ・安定利用希望     Viettelとその他2社SIMを組合せ
                 (それぞれダメなりに補完し合います)

 SIMは市内至る所で入手可能
 SIMは3種類しかないので、指定されたキャリアのSIMを手渡すだけで
 説明や専門知識なしで売れる”手間なし商品”と見做されているので、
 薬屋、コンビニ、食堂、カフェ、屋台など、携帯電話と全然関係がない
 あらゆる業種の店がSIMを販売している可能性があります(写真下は
 ジュース屋台)。
  

Img_20140418_150917

 異業種のSIM販売店には注意が必要
 市内至る所でSIMが買えるのは便利そうですが、専門知識を持たない
 (例えばジュース屋台)店では、買ったSIMを渡されるだけで、後は利用
 するための作業を全部自分行う必要があるため、自信がなければ携帯
 電話店などで購入すべきです。 
  ↑ 携帯電話店でもSIMを扱っていない店は多くあります。

 またSIMの形状合わせなど、間違うと端末のSIMスロットを破損する危険
 が伴う作業は、正規の工具(SIMカッター(写真下))を備え、経験と専門
 知識を持つスタッフがいる店でSIM購入と同時に依頼すべきです。
Simcutter

 SIM購入は専門店がお勧め
 
その意味で購入は市内でなく空港販売店がお勧めです。外国人旅行者や
 (日本語など)外国語表示の携帯電話に慣れている上、英語による意思の
 疎通が可能です。

Hanoishopsettingservice             空港の販売店ではSIMカットや設定が無料です

  国際空港にあるSIM販売店

  ●ハノイ ノイバイ空港

  •  ハノイノイバイ空港での注意点
      2015年12月の第2ターミナル(国際線)開業により
      SIM販売店情報が現状と異なる可能性があります。

   到着ロビーを出て左方向に3軒のSIM販売店があります。どの店舗も
   看板の表示に関係なく、主要3キャリアのSIMをすべて取り扱っている
   ようです。
      注意:ノイバイ空港の情報は2014年12月まで有効です

   1.Vinaphone販売店
     看板のVinaphone以外にViettel、MobifoneのSIMも販売しています。

Hanoiairportviettel
  2.Mobifone販売店
    看板のMobifone以外にViettel、VinaphoneのSIMも販売しています。 Hanoiairportmobi_3

  3.Vietnamobile販売店
    主要キャリア3社:Viettel、Vinaphone、MobifoneのSIMを販売
    しています。 Hanoiairportvietnamobile

  ●ホーチミンシティー タンソニャット空港
   空港を出てすぐ先のタクシー乗り場の前にある売店2軒がSIMを
   販売しているようです(写真下、3軒の売店の両側2店)。

   写真右の売店は郵政公社が運営のようで、Mobifoneの看板が
   見えます。

   写真左の売店は、SIM販売と旅行業務を兼業しているようです。

   これらの売店の扱い品目など未確認です。

Saigonairport_2 

■各キャリアのプリペイドSIMデータ■
  
主要3キャリアのプリペイドSIMのデータ集です。
    Viettel SIM
    Vinaphone SIM
    Mobifone SIM

 ●Viettel SIM

キャリア
SIM名称
Viettel(ベトナム軍公社系)
名称:TOMATO SIM
Viettelsimデータプラン申請はSIMカード(左)と
チャージカード(右)を同時購入して
チャージを追加する必要があります

開通期限と
利用期限が
設定されて
います 

対応
携帯電話
SIMフリーならほぼ全て対応
 3G 2100MHz  2G 900/1800MHz
価格 ・SIM 8万~10万ドン(約400~500円 店により異なる)
・チャージカード チャージ金額と同額
  例:10万ドンチャージできるカードは10万ドン
機能 データ通信(3G/2G) 国内・国際通話
購入書類 一般の店では不要、直営店ではパスポート必要
SIM形状 標準サイズのみ
 マイクロ/ナノ サイズはSIMカッターなどでカット必要
データ
プラン
次のプランが用意されています。Viettelplan_3                          日本語:Google翻訳
     速度制限なしの通信速度:8Mbps/2MBps
     *学生料金は5万ドン
解説:外国人が利用できるデータ定額はMiMax、Dmax、Dmax200
    で、全てデータ量無制限です。但し、速度制限が掛かるまで
    のデータ量が異なります。
注意:データ定額不要でもテータ通信はMiMin申請が必要。

SIM開通
接続設定
作業

●SIM開通
  端末にSIMを挿入して電源投入するだけで開通
●データ接続設定
  自動設定対応機はSIMが自動で設定
   手動設定  APN     v-internet  
           ユーザ名    空白
           パスワード   空白
●チャージ
  a.チャージカード裏面スクラッチでチャージ番号確認
  b.電話アプリで次の番号に発信してチャージ実行
     *100*チャージ番号#
  c.チャージ確認のSMS到着
    
     チャージ結果は電話アプリで *101# に発信しても
     確認可能
●データープラン申請・確認
  a.SMSで191宛に プラン名 を送信
     例 : MiMaxプラン申請の場合
        SMSで191宛に MiMax 送信
     注:プラン名はデータプラン参照
     注:データ通信は最低限MiMin申請が必要
  b.確認SMS到着を待つ ←数分掛かる可能性
     注:SMSはベトナム語で英語化できません
  c.確認SMS到着したら SMSで 191 宛に CO を送信
    注:COは大文字 シーオー です
 
  d.ブラウザなどでデータ通信確認
    通信できれば作業終了です
    ダメなら端末再起動後、データ通信再確認
  e.それもダメならSMSで 161 宛に ON を送信
   
設定
コマンド
・チャージ確認 電話アプリで *101# に発信
・使用料確認  電話アプリで *102# に発信
・追加チャージ 電話アプリで *100*チャージ番号# に発信
・データ通信 有効(ON)または無効(OFF)
  SMSで191宛に ON または OFF を送信
・データプラン申請
  SMSで191宛に プラン名 を送信
  その後確認メッセージが来るので
  SMSで191宛に CO (シーオー)を送信して承認
・データプラン解除
  SMSで191宛に HUY を送信
国際電話
発信方法
国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
  例:日本(国番号81)の03-1234-5678 に掛ける場合
     +81-3-1234-5678
注:178や1788発信IP国際電話サービスがありますが
  日本は対象外です。
 http://vietteltelecom.vn/di-dong/goi-quoc-te/gia-cuoc-45.html
自端末の
電話番号
SIM台紙のシールに印刷
 注:SIMの台紙は必ず保管しましょう。
注意点 ・キャリアからのSMSはベトナム語で英語化できません。
・SIM本体には開通期限、チャージカードには利用期限が
 あります

    Viettel SIM
    Vinaphone SIM
    Mobifone SIM

 ●Vinaphone SIM

キャリア Vinaphone(ベトナム郵政公社系)
Vinasimデータプラン申請はSIMカード(左)と
チャージカード(右)を同時購入して
チャージを追加する必要があります

対応
携帯電話
SIMフリーならほぼ全て対応
 3G 2100MHz  2G 900/1800MHz
価格 ・SIM 10万ドン目安 (約500円 店により差がある)
・チャージカード チャージ金額と同額
  例:10万ドンチャージできるカードは10万ドン
機能 データ通信(3G/2G) 国内・国際通話
購入書類 一般の店では不要、直営店ではパスポート必要
SIM形状 標準サイズのみ
 マイクロ/ナノ サイズはSIMカッターなどでカット必要
データ
プラン
以下のプランが用意されています(表はクリックして拡大)。Vinaphoneplan     **MAXSはベトナム人学生専用で外国人は対象外。
解説:外国人が利用できるデータ定額はMax、Max100、Max200
    で、全てデータ量無制限です。但し、速度制限(32kbps)が
    掛かるまでのデータ量が異なります。     

SIM開通
接続設定
作業

●SIM開通
  電話アプリで 900 に発信後、表示されるメニューで
  1を選択
●データ接続設定
  自動設定対応機はSIMが自動で設定
   手動設定 APN     m3-world  
           ユーザ名  mms
           パスワード mms
●チャージ
  a.チャージカード裏面スクラッチでチャージ番号確認
  b.電話アプリで次の番号に電話発信でチャージ実行
     *100*チャージ番号#
  c.電話アプリで次の番号に発信でチャージ確認
     *101#
●データープラン申請・通信確認
  a.SMSで888宛に DK プラン名 を送信
    例 : Maxプラン申請の場合
       SMSで888宛に DK Max 送信
    注:プラン名はデータプラン参照
    注:定額プラン不要の場合も M0 プラン申請しないと
      データ通信ができない場合があります
 
  b.ブラウザなどでデータ通信確認
    通信できれば作業終了です
    ダメなら端末再起動後、データ通信再確認
  
設定
コマンド
・チャージ確認 通話アプリで *101# ⇒通話ボタン
・データプランの残量確認
  SMSで888宛に DATA を送信
・追加チャージ
  通話アプリで *100*チャージ番号# に発信
・データプラン申請
  SMSで888宛に DK プラン名 を送信
・データプランキャンセル
  SMSで888宛に HUY を送信
・データ通信停止
  SMSで888宛に GPRS OFF を送信
・パッケージサポート(内容未確認です)
  SMSで888宛に TG MI (大文字のエムアイ)を送信
国際電話 通常電話(IDD CALL)
 00 国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
   例:日本(国番号81)の03-1234-5678 への通話
     00 81-3-1234-5678
IP通話(VoIP)
 171 00 国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
              または
 1717 00 国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
   例:日本(国番号81)の03-1234-5678 への通話
     171 00 81-3-1234-5678   または
     1717 00 81-3-1234-5678
日本への通話料(固定・携帯電話宛)
 IDD  :~6秒500VND、以降1秒60VND (1分3740VND 約18円) 
 IP電話:~6秒360VND、以降1秒60VND (1分3600VND 約18円)
  詳細は以下のVinaphoneサイトをご参照下さい
 http://vinaphone.com.vn/services/idd-direct#huongdan-tab
注:料金がほぼ同じなので音質が良い通常電話がお得です。
自端末の
電話番号
SIM台紙のシールに印刷
 注:SIMの台紙は必ず保管しましょう。
注意点 ・SIM本体の初期チャージ内容が違う新・旧SIMが存在します。
 何れもSIM本体だけではチャージ不足なので、データプラン
 新生は追加チャージが必要でます。
・2014年4月の首相発言で、同郵政公社系Mobifoneが民営化
 の見通しとなりました。Vinaphoneは郵政公社傘下に留まり
 ますが、事業内容見直しなどでSIMの環境に変化がある
 可能性があります。

    Viettel SIM
    Vinaphone SIM
    Mobifone SIM

●Mobifone SIM

キャリア Mobifone(ベトナム郵政公社系) 
Mobisim
データプラン申請はSIMカード(左)と
チャージカード(右)を同時購入して
チャージを追加する必要があります

SIMカット痕は
筆者が付けた
モノです

対応
携帯電話
SIMフリーならほぼ全て対応
 3G 2100MHz  2G 900/1800MHz
価格 ・SIM 10万ドン目安 (約500円 店により差がある)
・チャージカード チャージ金額と同額
  例:10万ドンチャージできるカードは10万ドン
機能 データ通信(3G/2G) 国内・国際通話
購入書類 一般の店では不要、直営店ではパスポート必要
SIM形状 標準サイズのみ
 マイクロ/ナノ サイズはSIMカッターなどでカット必要
データ
プラン
以下のプランが用意されています(表はクリックして拡大)。Mobiplan      *MIUは一般と学生専用(外国人不可)があります
解説:外国人が利用できるデータ定額はD1(1日)、MIU(30日)、
    BMU(30日)で、全てデータ量無制限です。但しプランの
    利用期間と速度制限までのデータ量が異なります。       

SIM開通
接続設定
作業

●SIM開通
  スマートフォンにSIMを挿入して電源投入
●データ接続設定
  自動設定対応機はSIMが自動で設定
   手動設定 APN     m-wap  
          ユーザ名  mms
          パスワード mms
●チャージ
  a.チャージカード裏面スクラッチでチャージ番号確認
  b.電話アプリで以下の番号に発信してチャージ実行
     *100*チャージ番号#
  c.電話アプリで以下の番号に発信してチャージ確認
     *101#
●データープラン申請・確認
  a.SMSで999宛に DK プラン名 を送信
     例 : MIUプラン申請の場合
         SMSで999宛に DK MIU を送信
     注:プラン名はデータプラン参照
     注:プラン申請しない場合デフォルトでM0が適用
  b.確認SMS到着を待つ ←数分掛かる可能性
  c.確認SMS到着したら SMSで999宛に を送信
 
  d.ブラウザなどでデータ通信を確認
    通信できれば作業終了です
    ダメなら端末再起動後、データ通信を再確認  
設定
コマンド
・チャージ確認 通話アプリで *101# に発信
・データプランの残量確認
  SMSで999宛に KT DATA を送信
・追加チャージ
  通話アプリで *100*チャージ番号# に発信
・データプラン申請
  SMSで999宛に DK プラン名 を送信
  その後確認メッセージが来るので
  SMSで999宛に Y を送信して承認
・データプランキャンセル
  SMSで999宛に HUY を送信
  その後確認メッセージが来るので
  SMSで999宛に Y を送信して承認
国際電話 通常電話(IDD CALL)
 +国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
   例:日本(国番号81)の03-1234-5678 への通話
     +81-3-1234-5678
IP通話(VoIP) ←通常電話とほぼ同額です。
 171 00 国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
              または
 1717 00 国番号 ゼロを除く市外局番 電話番号
   例:日本(国番号81)の03-1234-5678 への通話
     171 00 81-3-1234-5678   または
     1717 00 81-3-1234-5678
日本への通話料(固定・携帯電話宛)
 IDD  :~6秒4114VND、以降1秒66VND (1分4114VND 約20円) 
 IP電話:~6秒3960VND、以降1秒66VND (1分3960VND 約20円)
  詳細は以下のMobifoneサイトをご参照下さい
 http://www.mobifone.com.vn/portal/vn/products/danhsach.html
注:料金がほぼ同じなので音質が良い通常電話がお得です。
自端末の
電話番号
SIM台紙のシールに印刷
 注:SIMの台紙は必ず保管しましょう。
注意点 ・2014年4月の首相発言で、Mobifoneが郵政公社傘下を離れ
 民営化の見通しになりました。これが実現するとSIMの状況
 が変わる可能性があります。時期など詳細は未定です。

    Viettel SIM
    Vinaphone SIM
    Mobifone SIM

■ 社会主義国のモバイル事情:ベトナム編 ■

ベトナムのモバイル事情を理解するための情報集です。各情報の内容は全て関連しています。項目番号に従って参照する事でモバイル事情の全体を把握できるようにアレンジしています。

              【 内容 】

  1.携帯電話普及状況とOTTサービス問題
  2.OTTサービス規制状況と今後の方向性
  3.モバイル業界いびつ構造と再編成の予兆
  4.ベトナムモバイル業界の向かう先

 1.携帯電話普及状況 と OTTサービス問題

  若者は主にスマートフォン、年配者はフィーチャーフォンを操作する姿
  を良くよく目にします。印象としては日本の3分の1程度の”かなり”の
  普及率を感じます。しかし近年、携帯電話の普及による問題の発生が
  伝えられています。OTTサービス問題です。ここでは報道情報や統計
  データを基に現状と問題に触れて見ます。

  ベトナムの人口は日本の約7割
  ぺトナムの人口は約9千万人で、日本(1億3千万人)の約7割です。
  (2013年ベトナム統計局データ)。

  ベトナムの一人当たりGDPは日本の約20分の1
  ベトナムの一人当たりGDPは約1900ドルで、日本(約38500ドル)
  の約20分の1です(2013年IMFデータ)。

  ベトナムの携帯電話普及率は日本の1.4倍 ?
  ベトナムの携帯電話契約数は1億3千4百万件で、日本とほぼ同じで
  す(日本の携帯電話契約件数1億3千8百万件)。それぞれの数字を
  人口で割り、携帯電話普及率に換算すると、日本100%、ベトナムは
  日本を上回る140%になります(国際電気通信連合ITUデータから)。

Meatshopsmartphone

  異なる定義で算出されるITUデータは要注意
  しかしITUデータから「ベトナムの携帯電話普及は日本の1.4倍」と
  結論付けるのは間違いです。ITUの携帯電話契約件数はベトナムと
  日本で異なる定義で算出されているからです。それは次の通りです。

    携帯電話契約件数の算出時の定義
      ベトナム ≒ プリペイドSIMの販売枚数
      日本    ≒ 携帯電話機保有(利用)台数
  

  プリペイドSIM複数所有だと携帯電話所有台数は相当減る
  ベトナムでの携帯電話の90%は”プリペイドSIM”による利用なので、
  ITU携帯電話契約件数のデータはプリペイドSIM購入件数とほぼ同じ
  になります。

  • ベトナムでSIMを3枚購入すれば、携帯電話契約数3件と算定されます。
  • ベトナムで携帯電話1台の所有者が、3キャリアのプリペイドSIMを同時所有する例は良く聞きます。

  日本の携帯電話契約件数は、携帯電話所有台数とほぼイコールに
  なります(MVNOなどの普及で今後は分からない)。

  知りたいのは携帯電話機所有率だが、算出は不可能
  知りたいと思うのは、携帯電話を所有している人の割合である、携帯
  電話機所有率ですが、残念ながらベトナム人が所有する携帯電話機
  の台数が発表されていないので算出は不可能です。

  仮に携帯電話所有者全員が過去にSIMを2回乗り捨てて、更に半数
  の人がキャリア3社のSIMを同時所有しているとすれば、携帯電話機
  1台にSIMが4枚発行された事になります(次式)。

       1     +  2    +   0.5×2  =  4枚
    現在使用分 過去乗り捨て分 複数キャリア重複分

  前提が正しければはITUデータの値は4分の1となりベトナムの携帯
  電話機所有率140%は35%(約3人に1台)に低下します。

  実際携帯電話はその程度は普及しているようで、カフェやファスト・
  フード店、バス車内で長時間観察すると、携帯電話を操作する人は
  大体3~4人に1人でした。Huebike

  ベトナム人の購買力はかなり高い
  ベトナムでは次の3つの商品が若者に人気で”三種の神器”と言われ
  ているそうです。

      ・バイク(オートバイ)
      ・スマートフォン
      ・パソコン

Saigoncellphoneshop        ホーチミンシティーの家電量販店:目玉商品はスマートフォン

  ベトナム人は向上心あふれ意欲的で努力家の国民性で、仕事や学習
  に前向きと言われます。三種の神器の内容を見ても将来性や能力向上
  に繋がる堅実なものばかりです。
Loadedbike

  向上のためなら年収以上の高価商品もドンドン購入
  これら商品は年収の2~3年分に匹敵するバイク(HONDA製 50万円)を
  筆頭に、簡単に手が出ない高価なモノばかりですが、ベトナム人は血縁
  や一族全員で個人支える形で購入するなど向上心は半端でありません。
  街は高価なバイクであふれています。
Hanoibikes

  ベトナムのスマートフォン人気も相当なモノ
  ベトナムも例に漏れずスマートフォン人気抜群で、都市部の携帯電話
  の40%がスマートフォンとのデータがあります(2013年)。彼らにとって
  安い商品でありませんが、これも向上心の現れだと思います。
Saigoncellphoneprice            ミドルクラスでも値が張るスマートフォン
                        200万ドン=約1万円

  スマートフォンの普及がベトナムの通信業界を変える
  実はスマートフォンの普及が通信全体のあり方に影響を与えました。
  通信内容が音声通話やメールからYoutube、Twitter、Facebookなど、
  OTTサービス(Over The Top)と称するサービスのための通信に変化
  し、回線を流れるデータ量を急激に増加させた事です。

  これはベトナムの通信業界に問題を持ち込む事になりました。
  次の項目では、この問題に触れてみます。

 2.OTTサービス規制状況と今後の方向性

    まずは2014年4月筆者訪問時の状況ご報告 :
     Youtube、TwitterやFacebookのアクセスは
      問題なく行えました。

  2013年秋、報道やネットではOTTサービスの一部に接続制限が掛け
  られ、違反者が逮捕され実刑(4ヶ月)が科せられたとの情報が流れ
  ました。

  また、2014年5月の中国の南シナ海の石油掘削強行に抗議するデモ
  がベトナム各地で発生する事態となりOTTサービスを含む通信全般
  の規制や監視強化の可能性があります。

  ここではOTTサービスの規制について触れて見ます。

  なぜOTTサービスは”悪”なのか
  ベトナムのモバイル業界は通信量増加に対応するため、設備投資を
  行い通信設備やシステムの増強を行っています。Saigoncables

  一方通信量増加で利用者からの通信料収入は伸びますが、最近の
  通信量増加の勢いは急で、通信料収入の伸びで設備投資額を賄え
  なくなり、通信量が増える程対応で赤字が出る、モバイル業界の
  赤字体質が固定化してしまいました。

  通信量急増で設備投資が膨れるばかり
  ベトナム政府としてモバイル業界の赤字体質の元凶はOTTサービス
  と見做しています。ベトナム政府の見解は多分正解だと思います。

Ottservicelogo
  我々の世界でもOTTサービス台頭で通信量が増加し、通信料金収入
  の伸びを上回る設備投資を発生させている可能性があります。

  OTTサービスの利益は全部外国に奪われる構図 
  しかし我々の世界ではOTTサービスの実体を持つため、OTTサービス
  自体から得られる利益も受け取る事ができ設備投資負担と相殺または
  上回るため、トータルでOTTサービスは利益をもたらします。、

  残念な事にベトナムにはこれがないため、OTTサービスの収入は国外
  のOTTサービスの実体がある国に流れてしまい、設備投資の負担だけ
  残ります。Viettower

  思想・言論面で社会主義体制に悪影響
  社会主義国にとって更に大きな問題は、OTTサービス上のコンテンツ
  です。ベトナムは社会主義体制維持のため、言論の自由を制限して
  います。

  ベトナム国民が利用するOTTサービスは、全て自由主義社会に実体が
  あり、自由な意見交換できるようにできているので、国家に都合が悪い
  情報が流れても管理できない、政府にとって危険な存在です。

  OTTサービス規制状況(2014年4月)
  こうした危険に対処するためか、2013年秋にはTwitter、Facebook遮断
  の報が流された事がありましたが、本項冒頭の通り、2014年4月時点で
  制限はなくなり、各キャリアはFacebookなどの接続利便性を積極的に
  宣伝するなど制限は緩和されています(写真下)。
Vinafacebook 

  但し、通信分野は国内外の情勢により制限や遮断となる対象だけに、
  中国と緊張が深まる今、予断を許さない状況です。

  今後OTTサービスはどうなるか(中国の現状を参考にして見る)
  中国も社会主義国で、OTTサービスによる設備投資負担増や言論統制
  を困難にする弊害の構図は同じでした(過去形です)。

  しかし中国はこれら問題を解決し、今や国の繁栄や体制維持の道具に
  しています。問題解決と繁栄の切り札は自前OTTサービス構築でした。

  中国のネット管理・監視体制
  中国国内のネットワークは、全て政府が構築した金盾(グレートファイア
  ウォール)と呼ばれる監視・検閲システムで管理されています。

  世界を結ぶインターネットも中国国内は例外で、金盾が管理するので、
  中国政府に都合が悪い”天安門”などの情報は遮断されて中国国民は
  アクセスできません。

  逆に、中国国内からインターネットに向けて”チベット弾圧”など政府の
  意向に反した情報を発信しても金盾が遮断するので、世界の人々の目
  に届く事はありません。

  OTTサービス問題に頭を抱えた中国政府
  この状況で、中国政府は人気OTTサービスの台頭に頭を抱える事に
  なりました。

  OTTサービスは、思想統制に害を及ぼす認識はあるものの、余りにも
  多くの国民に支持されていただけに、遮断や制限に踏み切れば制御
  不能な規模の不満を誘発する危険があり、治安維持の観点から強硬
  手段に出られなかった模様です。

  中国Googleの検索問題
  この頃中国政府がアメリカのGoogleに、”天安門”などのワードが検索
  できなくするように半ば強制的し、Googleが受け入れた話は有名です。

  中国の妙案:自前OTTサービス
  しかしその後中国が採った対策は妙案と言えるものでした。それは、
  政府に都合の良い情報だけを流す自前OTTサービス立ち上げと言う
  民衆の不満のガス抜きも兼ねた絶妙な方法でした。

  自前なら政府が完全に管理でき、言論統制やプロパガンダのツール
  にもなり、サービスから利益も得られる全て丸得の妙案は早速実行
  され、今では中国版Google検索:百度、中国版Youtube:优酷、中国
  版Facebook:人人網、中国版Twitter:微博など、自前OTTサービス
  が多数稼働し国民の支持を得ています。
Chinaott

  今では予想通り本家Youtube、Twitter、Facebookは、遮断・制限され
  今に至っています。

  ベトナムはどうするのか  
  ベトナムにも金盾と同じ目的で”バンブー”と呼ばれるファイアウォール
  が設置されているようです。自前OTTサービスはまだ先の段階です。
  

  OTTサービスの位置付けや問題点は中国と同じなので、将来は自前
  OTTサービスを構築する可能性はありますが、ベトナムの経済規模を
  考えると微妙です。

  ベトナム規模の社会主義国では中国方式の解決は困難?
  また中国には通信設備や携帯電話機を製造する純国産企業があり、
  通信インフラ投資や国民の携帯電話購入は全て中国が回収できます
  が、ベトナムにはSamsungやNokiaの携帯電話製造工場はあるものの
  外資なので、ITで政治体制維持強化を図る中国方式の策は取れない
  公算です。

  この話題は4.ベトナムモバイル業界の向かう先 で再度取り上げます。

 3.モバイル業界いびつ構造と再編成の予兆

  Mobifone民営化でモバイル業界のいびつ構造を解消できるか
  ベトナムのモバイル業界は、国営キャリア3社が.90%の市場シェアを
  握るいびつ構造です。市場経済に移行したのに国営企業独占のまま
  なので、競争原理が働かず、計画経済時代の利権・癒着構造、商慣
  習など暗い影を引きずっています。

  業界のいびつ構造がもたらす利用者の不利益
  利用者は、粗末な通信品質や魅力的サービス欠如など競争が機能
  しない業界のいびつ構造により常に不利益を受けています。

  特に2013年4月の国営3キャリアの通信料25%一斉値上げは、利用者
  に極めて大きな不利益をもたらしました。

  不正が疑われ監査された一斉値上げ
  この値上げは市場経済の立場で見ると、国営企業が談合にて行った
  不正な価格操作としか見えませんが、ベトナム政府もさすがにこれを
  問題視し、通産省の公正取引委員会で監査する事になりました。

  疑惑を連想させる”完全シロ”の意外過ぎる結果
  しかし委員会は2014年1月に談合や不正な価格操作はなかったとの
  結論を出しました。

  しかし3社同率で同日値上げなど、談合の状況証拠と見られる事実
  がありながら”証拠なし”として完全なシロと言い切る余りにも不自然
  過ぎる結論を出したため、疑惑払拭に至らず、却って業界と委員会
  や当局との癒着を連想させる結果となってしまいました。

  不正や汚職の温床になる業界いびつ構造
  憶測ですが、仮に大幅一斉値上げが独占企業とそれを監督する立場
  の役人がグルで行なった不正だとすれば、それを可能にさせた業界の
  いびつ構造は、これからも不正や汚職の温床になる可能性があります。

  いびつ構造の実体
  業界のいびつ構造の実体は次の国営キャリア3社です。何れも規模
  が大きく、3社合計業界シェアは90%を超えます。

    Viettel     軍公社傘下   規模業界一位
    Vinaphone  郵政公社傘下 規模業界二位
    Mobifone   郵政公社傘下 規模業界三位

  注目は郵政公社(VNPT)単一でVinaphoneとMobifoneの2キャリアを
  所有している事です。只でさえ同族の国営企業が牛耳る業界構造が
  問題視されているのに、郵政公社単体で2大国営キャリアを所有して
  いるのは、同族以上に親しい同居関係の企業同士の親密度や馴れ
  合いを考えると大問題です。

    
Vietnampostalvnpt

  政府も危機感?いびつ解消に乗り出した
  政府もこれを問題視し、単一組織による複数キャリア20%超所有を
  禁止する法律を制定しました(2013年 以前の50%超え所有禁止の
  制限強化)。

  法律によりVinaphoneとMobifoneの2キャリアを100%所有する郵政
  公社は法律違反の状態になりました。

  姑息な手段で違反回避を目論んだ郵政公社
  対策を迫られた郵政公社は、複数キャリアの所有がいけないなら、
  VinaphoneとMobifoneを合併させ1社にしてしまえば法律違反には
  ならないと少し姑息な回避策を模索しました。

  さすがにこの策は政府から拒否されました。条文はクリアするも、
  いびつ業界構造の改善にもならず、市場に健全な競争を実現する
  法の目的に適わないと判断されたのでしょう。

  業界構造改善の糸口現る
  その後この問題は出口がないまま膠着状態でしたが、2014年4月
  郵政公社が次なる策として打診していた、Mobifone民営化案を
  政府が受諾したとの報道があり解決の糸口が見えて来ました。

  案ではMobifoneは郵政公社から切り離された後、売りに出される
  事になり、最終的に民間企業になる形です。

Vietnammobifonelogo

  Mobifone抜けてもいびつ構造は直らない
  Mobifone民営化が本当に実現すれば、業界のいびつ構造は少し
  改善し、競争が機能するようになると期待されます。

  しかしその後も国営企業2社は70%のシェアを握り続ける見込みで、
  いびつ構造はなくなりません。

  Mobifone民営化は2014年5月時点で決定事項でない上、いびつ構
  造解消効果も限定的ですが、それでも現状の問題を解決する貴重
  な第一歩となるので、今後の経緯を慎重に見守りたいと思います。

  いつか計画経済の籠の鳥モバイル業界が翼を広げ大空を飛ぶ回る
  姿を見たいものです。

  注:参考:TelecomASIA
  http://www.telecomasia.net/content/vietnam-pm-approves-mobifone-privatization
  

 4.ベトナムモバイル業界の向かう先

  これまでにベトナムモバイル業界の色々な問題を見て来ました。

  要約すると、競争が有効に機能しない国営企業の業界独占問題と、
  言論統制の目的で通信を制限する社会主義体制の問題があり、
  業界の発展が障害されている事です。

  ここでは、モバイル業界が発展するために、どのように問題を乗り
  越えていくかについて考えて見ます。

  市場に競争が根付く試金石はMobifoneの民営化
  Mobifone民営化が市場に健全な競争が根付くかどうかの試金石に
  なりそうです。

  2014年5月時点でベトナムには民間キャリアが3社存在しますが、
  純粋な民間ではなく、一部公安省など国の資本が入っています。
  これら3社は香港ハチソン、韓国SKテレコム、ロシアなど海外資本
  参加を受けるなど活動は民間企業的です。
   注:民間企業的な活動から、これ以降”民間”と表記します)。
Vietnamobile

  残念ながら海外資本は香港ハチソンを除き撤退してしまい、現在
  3社を全部加えても業界シェアは10%に甘んじています。

  シェア10%の民間企業が、業界の健全な競争を賭け、残り90%の国営
  企業と戦う姿は、1人で9人を相手に戦うイメージで、戦う前から負けが
  見えている絶望的状況です。
  

  Mobifone参入で土俵に乗れるか民間キャリア
  ここにシェア18%のMobifoneが民営化で加わると、民間 対 国営の力
  関係は28対72になり、3人の民間が7人の国営を相手に戦う形になり
  戦法次第で民間が勝つ可能性も出てきます。

  逆にMobifoneが民営化しなかったり、民営化後のMobifoneが衰退す
  る事になれば、業界の競争環境実現は絶望的になります。その意味
  で、如何にMobifone民営化がうまく行くかが試金石になります。

  土俵に乗ったらどう戦う?民間キャリア
  Mobifone参入を果たした後の、民間陣営はどのように戦うべきなので
  しょうか。これは魅力的商品やサービス提供など、”利用者に利益を
  提供する考えに軸足を置く”戦い方に尽きると思います。

  利用者を味方に付ける事が一番
  国営企業からまともに相手にされず、無視され続けて来た利用者を
  一番大切な”お客様”と捉え、お客様の声を聞きお客様の利益になる
  サービスを提供し続ければ、きっと利用者の心を捉え企業は発展して
  行くと思います。

  お客様重視は、市場経済の企業なら当たり前の考え方ですが、実践
  するとなると、企業効率を上げ、需要を的確に読み、お客様や市場の
  要求に機敏に的確に対応するなど、企業力がないと出来る事であり
  ません。これは競合に勝てる競争型企業に脱皮する事に他ならず、
  相当な覚悟で臨まない限り達成できない課題です。

  競争型企業に成長できれば国営企業も怖くない
  でもこれを乗り越えて企業力を持てば、身となり財産となり武器となり、
  企業発展の基礎となる宝物存在になると思います。

  努力が実った暁には、企業効率が悪くフットワークが重い利権・癒着
  体質の国営陣営を倒すのは、困難でないと思います。

  国営企業は改心できるか
  一方民間企業のシェアが伸びれば、利権や政官工作ばかり励んで
  きた国営企業は、シェアを失う事になります。

  そこで国営企業が危機を認識し、利用者第一に位置付ける競争型
  企業に変身できれば国営企業にも発展の目があると思います。

  しかし国営企業が旧態依然のまま、政府や当局など上だけを見て、
  利権や政官工作にこだわり続けるなら、利用者の支持を失い、果て
  は市場からの退場となるかもしれません。

  Mobifone民営化成功のカギは  
  今後民間キャリアの筆頭になる可能性があるMobifoneは、正と負
  の資産を抱えています。正は利用者、技術、通信設備などで、負は
  国営企業体質、官からの天下り社員、組合、高給体質等々です。

  負の資産との決別と競争企業への脱皮が急務
  どれだけ早期に負の資産から決別し、正の資産を活かして民間の
  効率的な企業風土を育成できるかが、民営化後のMobifone成功の
  カギと言えます。

  民営化決定後、Mobifoneは過去にこだわり、利権温存や手切れ金
  などその場限りの条件闘争する事無く、将来の発展に繋がる効率的
  な企業精神育成に全力を傾けてほしいと願います。

  何しろMobifoneが民営化して、成功するまで何も進まないので。

  政府の通信監理・規制はどうなる
  ベトナムでは社会主義体制維持のため、国民に言論の自由を与えて
  いません。この一環として通信も制限されています。これは同じ社会
  主義国、中国と同じです。

  中国の情報統制、効果に疑問
  中国は、ファイアウォールと自前OTTサービスで、国民を外部情報
  から隔離するなどの情報統制を行っていますが、頻発する暴動を
  一向に阻止できていないようで効果に疑問が残る上、ネット利用が
  急速に拡大し続ける中、この体勢をいつまで維持できるか未知数
  です。

  ガス抜きシステムなしで危険一杯
  ベトナムは、ファイアウォールを構築したものの自前OTTサービス
  がなく、国民に蓄積した不満を解消したり、別の方向に誘導する
  ガス抜きができないので、中国より悪い状況です。

  国民を世界の情報から遮断した場合、強権的に映れば不満蓄積
  となり、ガス抜き手段がないベトナムでは、危険行為となり、簡単
  に情報遮断はできません。

  こんなのアリ? 難問解決第三の手段
  この不安定状態の解消は、自前OTTサービス立ち上げでガス抜き
  手段を確保する中国方式か、不満蓄積覚悟で情報遮断を行う強権
  方式のどちらかと思われますが、ベトナムにはそのどちらでもない
  第三の手段があると考えています。
  

  それは通信インフラ設備放置作戦です。

  通信インフラ放置作戦は存在できるのか
  わざと通信インフラ整備を遅らせて貧弱の状態で放置すれば、利用
  できる通信機能が制限され、結果的に国民を自由主義世界の情報
  から隔離する作戦です。

  通信インフラ整備の遅れが政府が故意に行った放置作戦によるもの
  だと国民に見抜かれなければ、政府に不満が向かわないので、危険
  がない手段です。

  LTE凍結の真意は?
  報道によるとベトナム主要3キャリアは2010年から2012年にかけて
  LTE動作実証実験を成功させています。しかしその後の政府発表は
  ”LTE導入2018年まで凍結”でした。

  世界の流れを見ると、ベトナム規模のモバイル市場のLTE導入凍結
  はとても不自然です(2014年5月に凍結期間は2015年に短縮)。

  LTE凍結理由は”現状の3G資源を有効利用するため”との事ですが、
  現状パンク状態の3G通信網は、これ以上有効利用できない限界を
  超えた状況なので、納得できるものでありません。

  冗談と言えなくなった放置作戦
  そこで”半ば冗談交じりの推理”でひらめいたのが”通信インフラ放置
  作戦”でしたが、今では全く冗談でなく、一部真実を言い当てている
  と思えるようになってきました。

  モバイル環境がパンク状態まま意図的に放置されるか分かりません
  が、業界の発展は政府の方針と折り合いが悪い事だけは確かなよう
  なので、この国のモバイル環境が近い内に飛躍的に向上するなど
  プラス方向の期待は捨てた方が良さそうです。

  どうやら”籠の鳥”ベトナムモバイル業界の向かう先には、大空に
  向けて開かれた扉はないようです。
Hanoibirdshop2

資料編

●キャリアへのリンク
Viettel
http://www.vietteltelecom.vn/ ベトナム語のみ
Vinaphone
http://vinaphone.com.vn/locale.do?language=en
Mobifone
http://www.mobifone.com.vn/portal/en/
  http://www.mobifone.com.vn/portal/en/services/home/internet/dichvu3g/mobile_internet_gc.jsp

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