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輝け鉄塔!国の未来を引き寄せろ 最貧国カンボジア モバイルSIM事情

最貧国の洪水被害地からのモバイル通信

2013年10月、カンボジア陸路横断モバイル運用を行いました。

  • カンボジアSIM情報はここをクリックすると移動できます。

折悪く9月~10月の大雨で、カンボジアは国土の4分の3の州で大規模洪水が発生し甚大な被害が出ていましたが、横断ルートは正に洪水地域を横断するルートとなり、被災地域を目の当たりにするつらいモバイル運用となりました。

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あぜ道や木々を見ると水没した田園地帯である事が分かる

今回の移動ルートでも首都プノンペンからアンコールワットがある都市シェムリアップ間の幹線道路は被害甚大で、盛り土で位置が高い道路は冠水がなく通行ができましたが、道路より一段低い周りの田畑は見渡す限り水没し、湖か大きな川のように見え、まるで湖の上に架かる橋の上を走行している錯覚を覚えます。
 
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この道路は国を横断する最重要幹線国道なのですが、洪水から2週間以上経過した今でも所々舗装がめくれ、深く大きな水たまりやぬかるみにタイヤがはまり身動きできない車両が散見されました。

バスは道路損壊箇所で減速・加速を繰り返しながら時速80kmで疾走しますが、2時間ひたすら走っても洪水箇所から抜ける事ができず、被害の大きさを思い知りました。

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ここも河や湖でなく田園地域です

幸いな事に、洪水地域を含む全行程で一度も途絶えることなくモバイルが利用できました。洪水地域でモバイルできる事は喜びでも楽しみでもなく、ひたすらこの悲惨な状況から国を救う大切な通信インフラに被害がない事を確認する祈りに似た行為となりました。

  • 本記事の”最貧国”表現の意味についてはこちらをご参照下さい。

発展の糸口が見えないカンボジア
アジアの最貧国と言われるカンボジアの一人当たりのGDPは約925ドル、隣国タイの6分の一、日本の50分の一、あらゆるインフラも貧弱で、かつての内戦で埋められた地雷が多数処理されずに放置されている国土は開発もままならず、毎年決まって起こる水害への予防など手のつけようがありません。

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傾いているように見える洪水地域の家

資源もなく外資誘致で発展のシナリオなどは夢の夢、自国民の食もまかなえない農業生産も毎年の水害で細るばかりで、経済上向きの糸口が見当たりません。

カンボジアモバイル事情 : 2G網全国網羅は明るい兆し
インターネットでの調査によると、カンボジアでも2G携帯網が国土の主要部分をカバーし、激遅とは言え通信網完備の状況です。また大都会では速度が遅くパケ詰まりが多く発生し快適ではないものの3Gが使えます。

でも国の現状を思えば、速さやパケ詰まりなど問題でありません。何しろ国を浮上させ、飢えや貧困から国民を救い出すためのギリギリの選択で作り上げた命綱のインフラ通信網だからです。

当面のカンボジアの経済には、具体的な最貧国脱出シナリオが見出だせないでいます。しかし、将来をあきらめないために教育やインフラ整備は常に力の限り行うべきでしょう。通信インフラ整備は、優先度トップでありませんが発展の重要ファクターです。

その通信インフラが(旧来の2Gと言えども)既に国土の多くをカバーできている点は明るい兆しです。実際に洪水地帯を含む全走行経路での移動中も、途切れなくモバイル接続が行えました。これは期待以上、とても嬉しい結果でした。
   Cambodia2g1

今は難しい状況でも、将来経済が上向きになる嬉しい事態が起きれば、苦労して作り上げた通信インフラはきっと大活躍する事になるでしょう。

 参考:NTTドコモの海外で使う時のサービスエリア Cellcard カンボジア

外国人モバイラーとしての思い
この国を一歩出れば、いつでも好きなだけ快適な通信環境を享受できる者にとって、この国の通信インフラは、古くて遅く使いにくいと映るかもしれません。

しかし、この国の通信インフラは、国の発展を願い、なけなしの資金をつぎ込み、ギリギリの選択で多くの犠牲や血のにじむ努力の下で作り上げた特別製インフラです。

この国の特別製通信インフラを利用する外国人モバイラーは、それをカンボジア王国から与えられた温かいご配慮と受け留め、繋がる喜びをしっかりかみしめながら、(できるだけ多くの利用料がこの国に落ちるように)大いに利用させて頂きた思いです。

通信インフラ整備の切り札は携帯電話
発展途上国の通信インフラ整備では、電話線を張り巡らす従来方式でなく、時間・コスト面で有利な携帯電話網整備が本命です。鉄塔一本で半径数キロの通信環境を一度に確保できる効率性が優れています。

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電気がない家が多い状況でも、携帯電話は有効で、街で充電しておけば携帯電話は数日間使えます。

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家に電線が引き込まれていない

こんな状況なので、携帯電話の主流は単なる通話のみか良くてフィーチャーフォンです。主流がスマートフォンに変わるのはまだ先の先でしょう。しかし、通信ができる事に黄金の価値がある状況で通話のみの携帯電話も輝いて見えます。

Cambodiasimshop1                                   SIMでも何でも揃う街の市場

カンボジアはアンコールワットで超有名です。かつてここに周りの国々を凌駕した素晴らしい一大文明が存在した証しです。

  Cambodiastupatom
しかしその文明は歴史から姿を消し忘れ去られ、国はこれ以上ない”どん底”まで堕ちてしまいました。将来この国に陽が当たる事があるのでしょうか。

街で充電した携帯電話を電気のない暗い家で取り出し、バラバラになった家族と久しぶりの会話を楽しむ・・・・。先進国の人間にとってこの程度の楽しみでも、カンボジアの人々にとって最高の贅沢。

この程度の楽しみを誰もが当たり前にできる国になってほしい・・・、家族離散の悲劇が生まれない国になってほしい・・・、一日も早いカンボジアの復興を心から願います。

 アンコールワットの遺跡は本当に素晴らしいものでした。
   しかしそれは過ぎ去った過去の遺物・・・・。

 筆者の目には明日のカンボジアを担おうと
   凛として大地に立つ携帯電話の鉄塔が
     とてもまぶしく、もっと素晴らしく、光輝いて見えました。

 輝け鉄塔!国の未来を引き寄せろ 輝けカンボジア!

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カンボジアSIM事情(2013年10月情報、インターネットより引用)

1.カンボジアでモバイルに利用できるキャリア
カンボジアには携帯電話会社(以降キャリア)が意外と多く、少なくとも以下の6社があります。しかし通信方式の制限でモバイラーが利用できるキャリアは5社の模様です。

日本の半分の面積に日本の十分の一強の1300万人が暮らすカンボジアにとって、キャリア6社はいささか多すぎですが、最近まで存在していたMfoneは業界一位のCellcardに、HelloとStarcellは業界三位のSmartMobileに吸収されるなど、競争による淘汰が現在形で進行中のようです。

カンボジアの携帯電話通信業界では、毎年が企業再編成など節目がありそうです。

  • Cellcard    -> エリア > 2G:全国的 3G:一部都市
    カンボジア最王手の携帯電話会社で、全国的な2Gサービスと一部都市で3Gサービスを提供しています。
       
  • Metfone     -> エリア > 2G:幹線沿い 3G:一部都市
    ベトナムの携帯電話通信会社Viettelの資本が入る会社で、MetEcoやMetTravelのSIMを販売し、主に幹線道路添いで2Gサービスと一部都会で3Gサービスを提供する業界第二位の会社です。
       
  • Smart Mobile  -> エリア > 2G:幹線沿い 3G:一部都市
    XtraLongやTraveller SIMなどのSIM商品を販売し、2Gサービスと一部都会での3Gサービスを提供しています。
       
  • Beeline      -> エリア > 2G:カンボジア中部全域
    SuperPlusの名称でSIMを販売し、2Gサービスを提供しています。
       
  • qb          -> エリア > 2G:幹線沿い 3G:一部都市
    Fr3domSIMを販売しています。2Gサービスと一部都会での3Gサービスを提供しています。
       
  • その他       ->  CDMAで外国人モバイラー利用不可
    Excell社がありますが、モバイラーが利用できる通信に対応していません(インターネットで情報のみ)。また、2013年夏に中国系の会社に免許が付与との情報もありますが、サービス開始はまだのようです(もしかして4G網?)。
          
  • 以上在カンボジア歴5年のクメール・ジャポンさんのブログクメール・ジャポンのブログ を参考にさせて頂きました。同ブログは各キャリアの詳細説明やリンクが貼られていて非常に参考になりました。ありがとうございました。

2.SIMカード入手:パスポートなど証明書必要
カンボジアでSIMカードを入手する場合、パスポートなど証明書が必要との情報です。

  • ベトナム-カンボジア国境”モックバイ”で証明書なしでSIMカード購入
    今回筆者はSIMカードをベトナム出国直後・カンボジア入国前の、いわゆる国境緩衝地帯で入手しました。
  •   
    ベトナム側イミグレで一旦バスを降りて出国手続きを済ませると、乗客全員が揃うまで一旦降りたバス待ちとなります。このタイミングで手にSIMの束を持ったウラブレタ(失礼)オッチャンがSIMと声をかけながら近づいて来ます(オッチャンの写真はダメよと断わられてしまいました)。
      
    Cambodiavietnamborder
    ベトナム側イミグレ(後方の建物)を抜けたポイント
  •   
    オッチャンが売りさばくSIMはMetfone(ベトナム資本が入るカンボジア第二のキャリア)で、価格3米ドル(カンボジアで一番通用する通貨は米ドルです)との事で、5ドル札を差し出すとすぐSIMとお釣りの2ドル(これも1米ドル札二枚)が戻って来る即決明朗会計でした。もちろん証明書の提示もなにもなしです。
  •   
    カンボジア国内でのSIM購入は証明書が必要とのことですが、ホテルにチェックインした時点でパスポートはホテル側にキープされてしまうので、国境のオッチャンから証明書なしで買えるSIMは非常に便利です。

  • 但し購入できたのは3米ドルのSIMのみで、チャージ不足で最低限の利用しかできません。またSIMは標準サイズで、マイクロやナノSIMが必要な場合SIMカッター(写真)が必要です。SIMカッターは現地にない可能性が高く、常に持参する事をお勧めします。←これモバイラーの常識です。

    Simcutter

3.追加チャージカードの購入(TOPUPまたはRe-CHARGEカード)
TOPUPまたはRe-CHARGEカードと呼ばれる追加チャージカードは、街のどこでも入手可能です。購入に証明書は必要ありません。2米ドルや5米ドルなど種類があるので、必要な金額を言うとカードを出してきます。
  Cambodiatopupcard
なお筆者が最初に購入した5米ドルの追加チャージカードは、毎月の平均収入が77米ドルしかないカンボジアの人々にとって高額過ぎて売れ残ったのか?、スクラッチ部分が熱で変質したのか、カード表面が擦り切れるまでこすっても番号を読み取れず、無駄にしてしまいました。この点回転が良い?2米ドルのカードには問題ありませんでした。
  Cambodiatopupcard2
4.SIMカード利用の各種設定
主要SIMの各種設定一覧表を掲載するので参考にして下さい。ある程度の知識と経験があれば、表を見れば内容や具体的な設定方法が分かると思います。

  • 注:本記事は、海外携帯電話の知識や運用経験をお持ちの方を対象にしています。そのため具体的な設定・操作方法や詳細説明などあらゆる質問はお受けしておりません。

なお、SIMカードはキャリアが発行する商品なので、将来キャリア側の都合で内容が変更されたり商品自体の販売が中止されるなどあらゆる変更の可能性があります。その場合、本記事の情報は使えなくなります。

SIMの利用は、インターネットで直近の情報をご確認の上、自己責任でお願いします。

表が隠れて見えない場合はクリックしてして下さい

Cambodiasimsetting

   筆者が実際に動作を確認しているSIMはMetfoneだけです。
   その他の情報はインターネット情報だけに基づくものです。

5.Metfone"Met4ever"SIM運用記録
カンボジア-ベトナム国境で買ったMetfone SIM運用記録です(SIM購入のいきさつは2.SIMカード入手をご参照下さい)。

  • SIM購入はパスポートが必要との情報があります。ご注意下さい。

Cambodiametfonesim

SIMは標準サイズです。写真のマイクロサイズ
の切り口は、SIMカッターでカットした痕跡です  

Metfone"Met4ever"利用までの手順
 以下のMetfoneサイトに掲載されている手順に従い、作業を行います。
  http://metfone.com.kh/en/Services/Mobile-Internet-and-USB-3G/Mobile-Internet-and-USB-3G.12.aspx

 上記ページ中段の”How to use”や”Tarrif”ボタンで作業の詳細が表示されます。

  • Metfoneサイトの情報は実際と異なる部分があります(サイト更新ができていないのでしょうか?)。この場合エラーの内容と正しい方法を示した英文SMSが送られて来るので、その指示に従えば正しく設定ができると思います。

  ①.開通
  SIMをスマートフォンに挿入して電源を入れるだけで開通します。

  • SIMは標準サイズです。マイクロSIMやナノSIMは流通していないようなので、必要な場合は自分でカットします。マイクロやナノSIM利用の場合、SIMカッター持参が必須です。

  ②.データ通信開通(実際は必要ないかも?)
  開通したSIMのデータ通信機能を開通させます。

   SMSで133宛に”ON”(または"3G ON”)を送信します。

  • 上記サイトで必要な手順として書かれていますが、実際に行うとエラーになります。筆者の場合、本手順をエラーのままスキップしても問題ありませんでした。Cambodiasms1

  ③.データ通信設定
  
次の内容でスマートフォンのデータ通信設定を行います。
  iPhoneでは自動設定されるので作業の必要はありません。

    APN : metfone
    ID   : 空白のまま
    パス : 空白のまま

  この状態ではデータ通信は行えません。データ通信は次の
  データプラン選択が必要です。

  ④.データープラン選択
  目的に合う以下のプランを選択します。

  133宛にSMSでプラン名を送信します。

   プラン名 : 利用可能データ量/プラン価格
    MI0  : 0MB/0.1US$ (1MB/0.15US$従量制になります)
    MI2  : 450MB/2US$(超過分は1MB/0.15US$従量制)
    MI5  : 2048MB/5US$(       〃      )
    MI10 : 4608MB/10US$(       〃      )
    MI20 : 10240MB/20US$(       〃      )
     ・プラン名先頭の文字は 半角英語大文字で”エムアイ”です。
     ・各プランの有効期限は一か月です

  プランを選択するとSMSで結果が通知されます。
Cambodiasms3
  プラン選択成功が確認できたらスマートフォンの電源を切り、再度電源を
  入れるとデータ通信が可能になります。

  • 筆者のように3米ドルで購入したSIM単体では、追加チャージするまで料金不足でMI0(エム アイ ゼロ)以外のプランは選択できません。それ以外のプランを選択しようとすると、残高不足のSMSメッセージが届きます(写真)。
      
    Cambodiasms2

  ⑤.追加チャージ
  チャージカードは街の携帯電話店、ジュースなどの食料品店で購入します。

  チャージカード裏面スクラッチ部分をこすり、数字を読み、電話機能で
  次の番号に発信します。

   *197*<チャージカード裏の数字>#

  チャージが成功すると、スマートフォンの画面に成功の表示が現れます。

  ⑥.利用状況確認
  電話機能で次の番号に発信すると利用状況確認が行えます。

   *097#

 Metfone"Met4ever"SIMの評価
 
2度目のカンボジア訪問で累計滞在日数6日では、他社との比較も含めて
 本格的な評価は無理なので、単なる使用感に留めました。

 2Gとは言え、首都プノンペンからアンコールワット観光拠点シェムリアップ
 を結ぶ幹線道路で、洪水被害地域を含め、途切れないインターネット接続が
 できました。またプノンペンとシェムリアップでは、それなりに快適な速度で
 3G接続ができました。

 なお、接続トラブルはなかった事だけは強調しておきます。

付録

現在作成中です。

本記事全体の注釈

  • 本記事の最貧国表現について
    本記事の”最貧国”表現は、”最貧国の分類に入る”意味で使用しています。
       
    カンボジア王国は、世界で最も貧しい国ではなく、統計上の一人当たりGDPの値が世界の最も貧しい国の分類に入るとの意味です。
      
    また”最貧国”表現は、カンボジア王国を侮辱するものでなく、今後の経済発展を応援する文脈で、現在の経済状況を説明するために使用しています。

                   ご注意
本記事は、海外携帯電話の知識や運用経験をお持ちの方を対象にしています。そのため具体的な設定・操作方法や詳細説明などあらゆる質問はお受けしておりません。

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