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タイ王国モバイル事情 陸路国境越え&南部紛争地帯モバイル実践編

  • マレーシアの首都クアラルンプールからタイの首都バンコクまで、陸路約1,300Kmの移動区間でモバイル運用を行いました。
    Thailandsouth20
    今回は、難度が高い陸路国境越えモバイルと、治安維持のため政府が通信規制実施の噂が流れるタイ南部紛争地域付近でのモバイル状況を採り上げます。
      
  • タイでは、3G携帯電話の周波数が複雑なため、3G通信を行うスマートフォンは、SIMフリーだけでなく、タイの3G周波数に対応している必要があります(マレーシアでは、この問題はありません)。
      
  • タイの3G周波数や携帯電話事情については、当ブログ記事”タイ王国モバイル事情 バンコク+周辺都市対応SIM探索編”をご参照ください。

タイ陸路国境越えモバイル運用( マレーシア内移動を含む )

 タイ国境までのモバイル ( マレーシア側でのモバイル )
 マレーシアでは、首都クアラルンプールからバスで国境付近の町アロースター
 に入り、そこでマレー鉄道に乗り換え、タイ国境まで移動しました。

 移動中は、マレーシアのキャリアMaxisのSIM HOTLINKに加え、同DiGiのSIM
 DiGi PrepaidBroadBand SIM(写真)をそれぞれ2台のスマートフォンに挿入し、
 2種類のSIM(つまり2つのキャリア)の同時運用でモバイルを行いました。

Thailandsouth4

 2種類のSIM同時使いで圏外区間を減らす安定運用
 都市部から離れると、圏外で通信が途絶える区間が多くありましたが、2種類の
 SIM同時運用(つまり2種類のキャリア同時運用)で、一方が圏外でも他方は
 通信可能など、各キャリアのインフラや電波の差をうまく組み合わせて通信を
 安定させることができ、圏外によるモバイル空白区間を短くできました(写真)。

Thailandsouth5
 国境の駅 パダンブサールでタイ側キャリアSIMに交換 
 タイ入国のポイントは、マレー鉄道の国境の駅 パダンブサールです。同駅は、
 国境線の真上ではなく、マレーシア領内に位置しているので、マレーシアの
 キャリアでモバイル通信ができます(通信状態に問題ありでしたが)。
Thailandsouth12              国境駅パダンブサール駅に到着した国際列車

 また、Androidスマートフォンで確認すると、タイのいくつかのキャリアの入感が
 確認できました。 

  • キャリアの電波入感状況は、Androidスマートフォンで、設定>無線とネットワーク>モバイルネットワーク>携帯電話事業者で表示される画面で確認できます。

 準備しておいたタイSIMに交換して、タイキャリアに接続替え
 今回のタイへの陸路国境越えでは、以前タイを訪問した時購入しておいたタイ
 のキャリアTrueMove純正SIMを持参する事で、モバイル空白区間を作らない
 ための準備を整えていました。

 タイのTruemoveの電波の入感が確認できたので、早速SIM交換を行いました。、
 さすが純正SIMだけあり、SIM交換・開通および接続設定が全く問題なく終了し
 空白区間ゼロのスムーズなモバイルの国境越えが完了できました。

Thailandsouth15Thailandsouth13

 タイ-マレーシア国境パダンブサール駅でSIM調達できません
 タイ-マレーシア国境のパダンブサール駅の待合室に売店がありましたが、
 タイおよびマレーシアどちらのSIMも調達できませんでした。

 当駅を出発した後でのSIM調達は、途中駅では無理で、結局終点か目的地
 駅到着までチャンスはありません。SIMがない間の移動中は、当然モバイル
 空白区間になってしまいます。

  • 当駅ではSIM調達できないので、タイとマレーシア国境を鉄道で跨ぐ場合、モバイル空白区間をなくすためには、国境の向こう側で通用するSIMや通信手段の準備が必要となります。詳細は当ブログ記事陸路国境越えモバイル 結構難しい実態と対策”をご参照下さい。

 次はSIMの事前準備がない場合に予想されるモバイル空白区間と時間です。

  タイ方面国際列車
    ハジャイ行き  約50分でハジャイ駅に到着後、街のショッピングセンター
              でSIM調達できます。予想モバイル空白時間:約1時間。
    バンコク行き  約19時間で到着するバンコクのファランボン駅構内の、
              コンビニ等でSIM調達できます。予想モバイル空白時間
              は約19時間です。

  マレーシア方面国際列車
    クアラルンプール行き 約13時間後に到着する終点クアラルンプールの
              KLセントラル駅構内でSIM調達できます。予想モバイル
              空白時間:約13時間です。
    バタワース行き 筆者はバタワースに行った経験がないのでSIM入手先は
              不明です。当駅とバタワース間約3~4時間がモバイル
              空白時間になります。 

 何も対策kしないとモバイル空白区域・時間がかなり多くなる可能性があり、上記
 記事を参考に、モバイル空白防止のための対策をお勧めします。

タイ南部紛争地帯でモバイル(国境からハジャイへ鉄道移動)

タイ南部は、マレー系住民がタイからの独立を目指し、武装闘争を繰り広げる紛争地帯です。日本国外務省からは、”渡航是非の検討”か、それより上のランク”渡航延期”勧告が出されています。

今回は、タイとマレーシア国境のパダンブサール駅からハジャイ間の紛争地域(渡航是非の検討地区)を通り、首都バンコクに至る約950kmの鉄道移動でモバイルを行いました。

                        紛争地域の通信規制情報

 紛争地域は政府により通信が規制されている情報
 紛争地域の中心、パタニ、ヤラー、ナラティワート3県(厳戒地区)は、過去
 にテロの道具として使われた携帯電話が、政府の規制対象にされている
 との情報です。

 情報では、厳戒地区では特別なSIMでないと携帯電話が使えない通信規制
 を掛けると共に、特別なSIMの販売を厳戒地区に限定し、身分証書の提示
 を義務付ける販売規制を行い、テロへの悪用防止に努めている模様です。

 旅行者は特別なSIMを購入すれば通信は規制されない
 この結果、バンコク等で入手したSIMは厳戒地区で通信できなくなります。
 
 旅行者は、厳戒地区でパスポート提示で特別なSIMを購入できるそうです。

 注:本情報は筆者自身が厳戒地区で確認したものでなく、ネットで得たもの
   なので、正確さに問題がある可能性があります。

 日本キャリアの海外ローミングサービスは利用できない
 例えばNTTドコモは、海外ローミングが利用ができない旨の不通情報を
 掲載しています(写真のイメージ参照)。Thailandsouth28  (出典:NTTドコモの以下URLページ 上写真は筆者作成のイメージ)。
 http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/area/view.html?country=5200000&term

 国境からハジャイまで移動時のモバイル状況
 国境からハジャイまで、約50分の列車移動中、TruemoveのiPhone SIM(写真)
 で、そこそこ(圏外なし、2G/3G色々)のモバイル運用ができました。Thailandsouth1

 ハジャイ市のモバイル状況 : 何の規制も受けなかった
 今回は、厳戒地区の隣のソンクラー県のハジャイ市に滞在しました。同市は
 厳戒地区ではないので、通信規制やSIM販売制限はなく、バンコクと同じよう
 に自由な通信とフリーパスでのSIM購入ができました。

 市の中心では、屋外屋内(ビル内)を問わず、Truemove iPhone SIMで常時
 良好な3Gモバイルができました。

Thailandsouth14                   ハジャイ(Hat Yai)駅(タイ)

 SIMの調達は容易
 市内にあるショッピングセンター4ヶ所の内、2ヶ所でSIMを販売していました。
 SIMの購入にはパスポートなどの身分証明は不要で、だれでも購入できます。

Thailandsouth3            タイ南部ハジャイ市(イスラム服の女性はマレー系か)

 意外に健闘したTOT 3G系(MVNO)SIM
 特筆すべきはTOT 3G系MVNO(仮想キャリア)SIMの健闘振りです。首都
 バンコクを離れると、地方で全く使い物にならないと悪評高いSIMでしたが
 意外や意外、ハジャイでは、非常に快適な3Gモバイル運用ができました。
  Thailandsouth2
 その後判明した事ですが、TOT 3G系SIMはハジャイからバンコクまでの鉄道
 950kmの沿線都市全てで、良好な3G通信が行えました。但し沿線都市だけで
 他では圏外になりました(Truemoveは都市部で3G、その他は2G又は圏外)。

 但し、これらTOT 3G系MVNO SIMは、筆者が見たハジャイのSIM販売店では
 売っていませんでした。

 約一年前、バンコクの北約80kmの中堅都市アユタヤで、同SIMが全く使い物
 にならなかった状況を見ているだけに、今回の結果は驚きでした。

 今回健闘の理由は、TOT 3Gの通信網拡充によるものか、TOT 3Gが初めから
 タイ南部に強いキャリアだったのか、情報がないので判断できませんが、今後
 も使っていきたい有利なSIMなので、動向を見守りたいと思います。

 モバイルでの情報収集で紛争地域の安全確保
 紛争地域では、常に周囲の状況に気を配り、有事に備えを固めておく必要が
 あります。

 周囲の状況にうとく、言葉が理解できない外国人旅行者にとって、情報収集
 や有事対応のための一つの武器がモバイル通信です。

 以下は、特にタイ国の安全確保に有効な情報サイトのリンクです。モバイル
 でこうした情報や、有事のノウハウにいつでもアクセスできる状況にする事も
 安全確保の要素だと思います。

タイ南部から首都バンコクまで950km鉄道移動モバイル

ハジャイからタイ国鉄の夜行急行列車でバンコクまで約950kmの鉄道移動中、モバイル通信を行いました。Thailandsouth21
 2種類のSIM(キャリア)同時運用で通信費節約
 本記事前半のマレーシア移動と同様に、移動中は、Truemove iPhone SIMと、
 TOT 3G系MVNO各社の2種類のSIM(写真)を2台のスマートフォンで同時
 運用しました。

タイ鉄道移動中で使用したSIMの組み合わせ
Thailandsouth1 Thailandsouth2

 具体的には、メールやマップやWebなどの基本通信はTruemove SIMで行い
 データ量が多いSkypeやTV遠隔視聴は、500MBまでデータ通信が可能で、
 データ単価が安い、TOT 3G系SIMで行いました。

 結局Truemoveは圏外状態が少なく、安定していたので、2種類のSIM同時
 運用の効果は、通信の安定性ではなく、費用節約とTruemoveSIMの延命
 の形で現れました。

 但し、TOT 3G系SIMは、都市部以外で圏外になるので、常に利用できない
 不便さがありましたが、他にデータ量無制限の安価なSIMが容易に入手
 できない事を考えると、現状のタイでは、我慢の範囲内との判定でした。
Thailandsouth24_2              終着のバンコク中央駅に到着した夜行列車

 タイ南部地域~バンコク鉄道区間モバイル総括
 タイ南部紛争地域では、政府の携帯電話利用規制があるとの情報でしたが、
 マレー鉄道およびタイ国鉄沿線では規制はなく、携帯電話回線でモバイルが
 問題なく行えました。

 国境とバンコク間のタイ国鉄沿線では、一部圏外になる場合がありましたが、
 ほとんどの区間でTruemove SIMで3G/2G接続が行えました。

 また、大都会以外では使えないと思われていたTOT 3G系MVNO各社のSIM
 は、沿線都市での3G通信で、有効に機能する事が判明しました。

付録・資料編

 1.マレーシア北部都市アロースターからのタイ国境越え情報

  今回のタイ入国当日は、マレーシア北部都市アロースター市がスタート地点
  でした。

  国境至近の町なのに国境越えできる交通機関は鉄道だけだった
  アロースター市は国境至近の都市なので、隣国タイとの往来が盛んに行われ
  ている事を予想していましたが、実際は予想に反し、そのような雰囲気が一切
  感じられない、落ち着いた(活気のない)街でした。
Thailandsouth25                 アロースター市中心部(マレーシア)

  • その後訪れたタイ側の国境至近の町ハジャイ市は、多くの旅行会社がマレーシアの様々な都市へ直通バスを運行するなど、マレーシアとの往来が非常に盛んな様子で、活気が溢れる街の様子は、落ち着いて地味な当市と対照的でした

  筆者は、当市からタイ国境を抜ける予定だったので、タイ国境またはタイ国内
  に向うバスなどの公共交通手段を探しましたが、簡単には行きませんでした。、

  最後にダメ元でマレー鉄道駅に行った所、朝7:15分にタイのハジャイ行きの
  急行列車が一日一本だけ停車するとの情報を得ました。

  • この便を逃すと、一旦マレーシアの首都クアラルンプールまたはペナン島近くのバタワースまで戻り、そこからのタイ国内への直通列車または直通バスで国境越えを目指すしか手がないようでした。

  隣国の町でタイのSIMが購入できるか試してみた
  タイへ行くマレー鉄道の移動手段が確保できそうだったので、アロースターの
  状況を観察してみました。

  市の中心は、巨大なモスクがあり、その周辺にマレーの伝統的な商店街が立
  ち並び、頭にベールをかぶる女性が多く往来していました。

  市内にはショッピングセンターが3ヶ所程あるようですが、筆者が徒歩で行ける
  所は2ヶ所で、その内一ヶ所は電脳街でした(写真)。

Thailandsouth26             アロースターの電脳街(ちょっと暗め)(マレーシア)

  電脳街はセントーサと名前がついた一つのビルで、携帯電話を中心にPCなど
  が販売されていました。

  また、当ブログ記事”陸路国境越えモバイル 結構難しい実態と対策”で触れた
  ように、これから行う国境越えモバイルでは、国境の向こう側で使えるSIMの
  調達が困難で、タイ入国と同時にモバイルが中断する可能性があります。

  このため当アロースター市で隣国タイで通用するSIMの調達を試みましたが、
  国境の至近の町であるにも関わらず、この試みは失敗しました。これは想定
  内でしたが・・・。

  国際列車に乗り込む
  結局筆者は、唯一の交通手段である、アロースター駅7:15着のマレー鉄道
  の便(クアラルンプール発タイハジャイ行き国際夜行列車)に乗る事に決め、
  乗り遅れないように30分前に駅に到着しました。

Thailandsouth0_2          アロースター駅停車中のタイ行き国際列車(マレーシア)

  朝の駅は無人で、切符を買えず不安な気持ちで待つ事1時間、約30分遅れで
  到着した列車に乗車しました(切符は列車内で購入できました)。

  国境まで50kmの間は、マレーシアのDiGiでモバイルを行いましたが、市街地を
  抜けると3G接続が切れ、2Gや、時には圏外になる不安定な状況でした。

  国境駅パダンブサールには約1時間半で到着しました。

Thailandsouth27          マレーシア領内にある国境駅パダンブサールは現在増築中

  国境駅では、乗客全員が全ての荷物を持ち列車から降ります。ここで国境
  越えの乗客は、プラットフォーム上にある入管ブースに向います。
Thailandsouth23          国境駅パダンブサールで全員荷物を持ち国際列車から下車

  当駅はマレーシア領内にも関わらず、プラットフォームにはマレーシアと
  タイ双方の入管ブースがあり、短距離の移動で、短時間で出入国手続き
  が行えました。 Thailandsouth11            プラットフォームのタイ・マレーシア両国の入管ブース

 2.タイの携帯電話の特殊性(抜粋)

  タイの携帯電話には特殊性があり、ヨーロッパやアジアで問題なく機能する
  スマートフォンでもタイだけでは使えないなど、思わぬ問題が生じる可能性が
  あります。

  モバイルが困難な原因は、キャリアが独断で決めた3Gの周波数と通信網の
  整備の遅です。特に周波数は、ヨーロッパや他のアジア諸国のそれと大幅に
  異なる整合性のないもので、対応できる携帯電話がないと通信できません。

  以下にタイの各携帯電話会社の概要を簡単にリストしてみます。詳細は、
  当ブログ記事”タイ王国モバイル事情 バンコク+周辺都市対応SIM探索編
  をご参照ください。

  •           各キャリアの3G網の特徴
    AIS
     12call でお馴染み大手キャリア、2G網充実するが3G網弱い
     3G周波数の900MHzは、国際版スマートフォン一部対応可
    DTAC
     Happy シリーズSIMが有名、カバーエリア都市周辺
     3G周波数の850MHzは、多くのスマートフォンが対応困難
     ドコモスマートフォンのSIMロック解除版は対応の可能性

    TOT 3G
     iMobileやIDC等仮想キャリアに回線貸出しで自前運用なし
     国際空港でSIM販売なし。首都と(少なくとも南部)都市部
     をカバー。低価格で大容量通信可能。3Gデータ通信のみ。

     3G周波数の2100MHzは、全てのスマートフォンが対応可能
    Truemove
     iPhoneSIMなど有名。3G網はかなり充実(筆者評価)
     3G周波数の 850MHzは、多くのスマートフォンが対応困難
     ドコモスマートフォンのSIMロック解除版は対応の可能性

 3.都市名の表記について

   本記事でハジャイと表示している都市は、英語でHat Yai、日本語で
   ハート・ヤイと表示する場合があります。

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