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パソコン故障は修理か新品買い替えか 変わる修理の常識

個人で8年間(2011年11月現在)運営している”パソコントラブル対応”ビジネスで体験する”パソコン修理”に関する話題です。

パソコン修理の新たな常識を知ろう

パソコン修理の常識を変えた新品パソコンの価格低下

”パソコンが故障したら修理する”が今までの常識でしたが、最近は”パソコンが故障したら買い替える”・・と常識が変わっています。

常識が変わった理由は、新品パソコン価格低下に対して、パソコン修理代金が高止まりしている事で、修理の割安感(価格優位性)が失われたためです(グラフイメージ参照)。 

Photo_8例えば、全く起動しないなどの大規模故障では、4~10万円の修理費用がかかりますが、新品パソコンは2011年現在で平均価格が7万円台前半(BCN調査データ)まで落ちているため、修理代を下回る事も珍しくありません(2012年9月現在で平均価格は6万円台まで低下)。

新品パソコンは性能が高い上、一年間の保証が付く一方、故障修理は、どんなにお金を掛けても、性能が以前より上がる事はなく、保証も(実質的に)ゼロの状態です。それにも関わらず、今まで修理が広く行われていた理由は、新品買い替えに比べてかなり割安という価格優位性があったからでした。

しかし新品価格の低下と共に、割安感(価格優位性)が失われた事で、修理の常識が今、変化しているのです。

それでも修理がお得なケースも・・・修理が妥当な場合もある

修理の常識が変化したとしても、すべてに当てはまるわけではありません。新品買い替えに比べて圧倒的に料金が安い”小規模故障”では、依然として修理がお得です。

それでは、どの程度までなら修理がお得なのでしょうか。

これは”いくらまで”と一概に言える程簡単ではありませんが、修理業者として扱った各種事例を統計分析した結果、次の”妥当な修理代”グラフの「修理代範囲」で示す金額の修理なら、新品買い替えより修理がお得ではないか(妥当)との結論を得ています。Photo

  • 縦軸は”新品パソコンの価格”に対する”修理代金を”%”で表したものです。
  • グラフは、筆者が運営するビジネスで得た事例データーを、独自の統計処理で導いた”本来社外秘”扱いのデーターです(別の統計データーを持つ他業者とは、数値や解釈に違いがある可能性があります)。
  • 注:本データーに関するご質問やコメントにはお答えいたしかねます。

グラフでは、例えば使用期間4年目(購入後4年目)のパソコンを修理するケースでは、その時点で販売されている新品パソコン価格が7万円なら、修理代はその”40%”の2万8千円以内に収まれば妥当である事を示しています。

  • 購入一年以内のパソコンは、保証があるのでいかなる故障も製造メーカーの責任で修理させるのが妥当です(グラフでは0%と表示)。

また、寿命を超えた6年目以降のパソコンは、余程小さな故障でない限り修理は無駄で、新品買い替えが妥当です。

  • 2回以上故障が続けて起きたら、1回目の修理代との合計金額をグラフにあてはめて判定します。例えば2回目の故障で1回目の修理代との合計金額が妥当範囲を超える場合、1回目の修理は無駄になりますが、修理の泥沼にはまる危険から逃れるため、2回目の故障は修理せずに、思いきって新品買い替える結論になります。

グラフで示す範囲を超える金額の修理は、一見新品買い替えより安価でお得に見えても、寿命を考えた長い目で見ると、結局損になる可能性があります。

筆者はこの妥当な修理代グラフに沿って、お客様からの修理依頼をお請けするか、新品買い替えをお勧めするか判断しています。

  • 筆者はパソコン販売業務を行わない修理専門業者なので、パソコン販売店やメーカーとはいかなる利害関係もありません。
  • 筆者はお客様の新品パソコン購入で利益を得る事はありません。むしろ修理案件が1件減る事で利益を失う立場です。
  • 利益に繋がる修理ではなく、むしろ利益を失う新品買い替えをお勧めする場合があるのは、お客様の利益優先のビジネス理念によるものです(宣伝ではありません)。
  • また、新品買い替えをお勧めしても、やはり修理をご希望される場合は修理をお引き請けしています。
  • ここで再度確認ですが、パソコン修理は、故障部分だけを対象にした作業です。

  • パソコンは時間と共に劣化し続け、最後に寿命を迎えますが、修理により修理対象部分だけは新品になったとしても、それ以外の修理対象にならなかった部分の劣化部分はそのまま残ります。

  • よって部品の”全交換”をしない限り、修理でパソコンの寿命を延ばす事はできません。

修理代の妥当性グラフは、パソコンの寿命の考えが盛り込まれています(パソコンの寿命については記事後半の付録”1:パソコンの寿命について”をご参照下さい)。

修理で損をしない方法を知ろう(修理実践編)

ここからは実際に修理を依頼する場合、どうしたら修理代を妥当な範囲に収めるか、注意点を解説します。

修理前の見積もり確認が重要

パソコンが故障したら、修理代を算定し、その金額と新品パソコンの価格と比較する事で、修理するか新品買い替えか、対応を決める必要があります。

修理代算定は、パソコンメーカーや販売店の修理受付や修理業者に見積もりを依頼する事で行います。但し、見積もりだけの依頼は受け付けてもらえない可能性があるので、形式的に故障パソコンを持ち込んで修理を依頼してしまいます。

但し、この際「実際に修理するかどうか見積もり金額を見て決めるので、それまで修理を始めないでほしい」旨の希望をはっきり提示します。こうした希望を出す事で、見積もりだけ依頼したのと同等の効果を持たせます。

  • 見積もりなしの修理依頼は危険です。修理代金が青天井となり、新品価格を上回る請求が来る”最悪の事態”を実例で多く目にしています。作業が始まると修理は取り消しできないので、事前の見積もりチェックは慎重に行う必要があります。
  • 修理を依頼するメーカーや業者によっては、見積もりが有料になる場合があります。
  • この場合、見積もりを依頼せずに、修理代の上限金額を指定します。例えば 『2万円以内なら修理するがそれ以上なら修理しないでパソコンを返却してほしい』 旨の希望を提示します。この希望により、見積もりなしでも修理代が青天井になる危険を回避できます。

見積もり金額が出たら、”妥当な修理代”で示した金額と照らし合わせ、修理するか新品買い替えか決断します。

決断結果が新品買い替えの場合、結局修理しなかった故障パソコンを業者から引き取り、新品パソコンを購入する事になります。

  • ここではGood Luck! 良いパソコンが購入できる事をお祈りしています。

実際に修理を始める前の注意点

見積もり段階でストップしていた修理作業を再開させる際には、修理業者に次の点についての確認や依頼をする必要があります。

  • 1.パソコン内のデーターの取り扱い方法と保護依頼

    修理を依頼するパソコンには大切なデーターが保存されている
    ので、消失や漏えいが無いよう万全な態勢で臨んでもらいたい
    旨を依頼します。

  • 2.納期確認

    部品がないなどの理由で、2ヶ月近く修理が完了しなかった事例
    を見ています。修理中に困難が発生し、納期や修理代金に変化
    が予想される場合、事前に連絡の上、了解をとるよう依頼します。

  • 3.修理の保証内容確認

    修理には保証がないか、あったとしても3ヶ月程度の短期間なのが
    普通です。また、保証範囲も修理した部分だけに限定が普通です。
    修理完了後も、誤診や作業失敗で故障が再発する場合があり、
    しっかり修理の保証内容を確認しておく事が得策です。

これら3点について、確認できなかったり、希望に沿わない場合は、修理を中止して『新品買い替え』に方針転換が必要になるケースもあります。

以上が整ったら修理を開始させましょう。

  • ここではGood Luck! パソコンの修理が早く完了し、楽しいパソコン生活が戻る事をお祈りしています。

付録:パソコン修理に関連する参考情報

1.パソコンの寿命について

パソコン修理ビジネスで得た知見(下表)を分析すると、パソコンの寿命を推定できます。

  • 表は筆者が運営するビジネス上の事例データーに独自の統計処理をして得た”本来社外秘”扱いのデーターです(別の統計データーを持つ他業者とは、数値や解釈に違いが出る可能性があります)。
  • 注:本データーに関するご質問やコメントにはお答えいたしかねます。

Photo_2
   *「最新機種との性能比」欄の値は、今まで1年半でパソコン性能が
    2倍に向上してきた事実を捉えた”ムーアの法則”(経験則)を逆算
    したものです。
   *セキュリティー欄の記号は、負荷の高いセキュリティー対策ソフトが
    快適動作が○、低速動作が△、動作しないまたは機種が古すぎて
    どのセキュリティーソフトも対応しない場合は×を表します。
   *”最近コンテンツ”とはインターネットの最新技術を採り入れた動画
    などの動的コンテンツを表します。

この表から、筆者のビジネス運営上の基本データーとして『パソコンの寿命』を6年と算定しています。

寿命が切れた危ないパソコンの手配書

まず写真をご覧下さい。

Oldwindows_2

  • 写真は何れも6年以上経過した危ないWindowsパソコンの起動画面です。
  • これらのWindowsを搭載したパソコンは、既に寿命が尽きている上、余りにも古いので、対応できるセキュリティーソフトが存在しません。
  • 言うなれば、あらゆるセキュリティーソフトから見放され、相手にされていない”セキュリティー空白地帯”に存在する危険なパソコンと言えます。
  • ウィルスは、インターネットに接続するしないに関係なく、脅威に変わりありません。インターネットと接続していなくても、USBやCD/DVDなどを経由したウィルス侵入の例は頻繁に起きています。
  • セキュリティーソフトの防御がなく、危険に無防備なこれら手配書のパソコン使用は”即刻中止”すべきです。

2.パソコンで一番大切なデーターを重視しないパソコン修理業界

パソコンには、文章、メール、アドレス帳、写真、音楽、動画など大切なデータが保存されています。

その中には、プライバシーや機密に属するものや、一旦失われると永久に取り戻せない”かけがえのない”データーが含まれ、万一漏えいや消失すると、測り知れないダメージとなります。

Photo

  • 修理を外部に依頼する事は、これら貴重なデーターを”見ず知らずの他人に託す”危険な一面がある事をしっかり認識する必要があります。

残念な事に、メーカーや販売店の故障修理では、データーについて一切責任を負わない姿勢がほとんどです。つまり、最初からデーター保全は行なわないと宣言し、もし漏えいや消失が起きても責任を負わない姿勢です。

  • メーカーや業者によっては、責任を回避するため、”データーに関して文句を言わない”旨の承諾書を提出しないと修理を受け付けない場合もあります。

もし漏えいや消失で問題になるデリケート・データーが、パソコン内に保存されている場合、修理依頼先でのデーター安全性が担保されない限り、修理依頼は避けるべきです。

  • 大金が入った金庫が開かないトラブルのため、見ず知らずの業者に金庫を預け、所有者の目の届かない場所での解錠作業を依頼する危険に匹敵します。
  • データー保全はどうしたらよいのか
  • 修理業者でのデーター保全ができない場合は、故障修理を後回しにしてもデーター保全と漏えい防止を第一優先で行う必要があります。
  • データー保全は、故障したパソコンからデーターを抜き出して安全な方法で保存するのに加え、漏えいすると大事に至るデーターを完全に消去する作業です。
  • データー保全は、専門業者やデーター保全と修理を両方手掛ける業者に依頼するのが普通です。何れの場合も、料金はそれなりに高額になる傾向です。
  • また、データー保全を行う業者の数は少なく、簡単に発見できない可能性があります。
  • そのような場合の参考用に、次の項目でデーター保全の概要を説明します。
  • データーは”金庫の中のお金”に例えられる程パソコンの中で最も貴重な存在です。

  • データーは故障や操作ミスの一瞬の間に、永久に消失したり漏えいする可能性があるデリケートな存在です。

  • 貴重でデリケートなデーターを守るには、各自が日頃から定期的に安全な場所にバックアップを取るなど、消失や漏えい防止に備えた扱い方法を定め、厳密に運用する事が大切です。

3.故障パソコンからのデーター保全方法(概要)

筆者のパソコン修理ビジネスで実際に採用している故障パソコンからのデーター保全方法の概要です(データ漏えい防止方法については、ここでは説明しません)。

方法のいくつかは、専門知識を要する難易度が高いもので、失敗するとデーター消失や漏えい、パソコン破壊など危険を伴います。自己責任の下で行ってください。

ここでは概要のみ説明しますが、専門知識があれば十分理解できるレベルです。もし説明内容が理解できない場合は、実行は控えて下さい。

なお、ここでの方法は本来”社外秘”扱いです。ご質問やご意見にはお答えしかねます。

故障したパソコンからのデータ保全方法 (概要)

故障レベルにより方法が異なります。

故障が軽度でWindowsが機能する場合

  • Windowsの機能を利用してデーターをUSBメモリーやCD/DVDに保存します。これは通常のWindows操作なのでどなたでも行えます。

故障レベルが高くWindowsが起動しない場合の対応

  • Windows機能が利用できないので、特別の対応が必要です。
  • 電源を切った状態で電源ボタンを押すと同時に”F8キー”をトントントントンと連打します。画面に黒いバックに白文字のメニューが表示されたらF8キー連打を止め、上向き↑または下向き↓矢印キーで”セーフモード”を選択し[ENTER]キーを押します。この操作でセーフモードでWindowsを起動できる可能性があります。
  • セーフモードでWindowsが起動すれば、Windowsの通常操作でUSBメモリーやCD/DVDにデーターを保存できます。

故障レベルが高く工夫してもWindowsが起動しない場合

ここでの方法は、間違えるとデーター消失の危険があります。専門知識がある方のみ行って下さい。また実行には、専用治具や専用ソフトおよび作業用パソコンが必要です。

Windowsが全く起動しない場合は、以下の段階に沿った手順でデーター保全を試みて下さい。

 難易度1: CD起動のバックアップ用ソフトで記憶装置を
        バックアップ
        バックアップしたデータの保存先には、USB
        メモリーなどを指定
        場合によってはデーター復元ソフトも併用

 難易度2: LINUXなどCD起動のOSでパソコンを起動し
        OS操作でデータをUSBメモリーに保存

 難易度3: パソコン内部からハードディスクを取り出し、
        USB変換ケーブルで作業用パソコンに接続し
        データーを抜き取り、USBメモリー等に保存

 難易度4: 取り出したハードディスクを作業用パソコンの
        内部バス(IDEまたはSATA)に直結し、2台目
        のハードディスクとして認識させ、データーを
        抜き取りUSBメモリー等に保存

作業は、上記の説明内容が理解できる専門知識を持つ方だけが、危険性を理解した上で、自己責任で行ってください。

4.プリンターの故障修理について

プリンターの世界では『故障修理』は既にお勧めできない行為です

プリンターの世界では大々的に低価格化が進み、今や故障修理は”全く”見合わない状況になっています。

どんな小さな修理でも、送料込みで1万円近い修理代を請求される可能性があるのに対し、新品プリンターは、満タンのインクカートリッジ(出荷用)一式と一年保証が付いて、1万円以下(5千円以下もあります)で購入できます。

この状況を考えると、プリンターはどんな故障でも修理はしないで新品買い替えがお得です。

例外として、プリンターの高級機種や、プリンターの廃棄に高額な料金がかかる場合、故障したプリンター用のインクを大量に買い貯めしている場合(新しいプリンターでは古いインクは使用できない)など、修理した方がメリットがあるケースもあります。

この場合も、パソコン同様に”妥当な修理代”グラフを適用できるので、修理か新品買い替えの判断に利用して下さい。

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