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SIMなし中国国境越え実験 香港携帯とGoogle Mapは中国で使えるか

(2012/11/6 修正)

香港から中国本土へSIMなしで国境越え

2011年7月の香港滞在中に、日帰りで国境を越え中国側の都市”シンセン”に行ってきました。シンセンは国境を隔て香港に隣接する中国側の都市です(写真は中国側から見た香港国境)。

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  • 香港と中国の関係
  • 香港は中国の一部ですが、行政特区に指定され、中国本土と異なる法律・制度(資本主義 対 社会主義)で運用されている、お互い”実質外国”です。
  • このため、香港と中国本土の間に国境線があり、往来は自由ではなく、特に中国籍の人々は許可証が必要など、厳しく制限されているようです。
  • 日本人は、パスポートだけで国境通過が可能です。その際、出入国審査や税関チェックがありますが、手続きは簡単で短時間で終了します。

中国訪問目的は、携帯ショップ回りと、SIMなし国境越えモバイル通信実験とGoogleマップの地図キャッシュ機能の評価です。実験にはSamsungの国際版 Galaxy S(SIMフリー)を使用しました。

中国で香港の漏れ電波を拾うモバイル実験

シンセンは香港と「別の国」である事は、携帯電話の状況からも伺えます。

例えば、国際電話の国番号が、中国86:香港852で異なる、国境を跨ぐ通話は国際電話としてダイヤルする、両地域をカバーするキャリアがない、両地域で使えるSIMが存在するが地域毎に異なる電話番号が割り当てられている、などそれぞれの地域が外国扱の状況が読みとれます。

今回の香港から中国本土シンセン市への渡航では。中国SIMを一切使わずに、香港SIMだけでどこまでできるか実験を試みました。香港とシンセン市は、こんな”変な”実験を思いつくほど近い距離にあり、あわよくば中国側で香港の漏れ電波を拾い、香港携帯として音声通話やモバイル通信を楽しめたらとの目論みでした(写真:実験に用いた香港”3”SIM)。

3sims2_2 

もう一つ実験:Googleマップの地図の事前キャッシュ機能

万が一中国側で香港の電波が拾えない場合、シンセンでのモバイル通信は絶望的になりますが、そんな状況でも、Googleマップだけは使えるのではないかと考えました。

Szmap

折しも、Googleマップに「地図の事前キャッシュ」機能が追加されたので(2011年7月)、あらかじめシンセン周辺のマップを読み込んでおけば、オフラインで地図と現在地確認ができるのとの予想でした。

  • Googleマップの「地図の事前キャッシュ」機能
  • 初期のGoogleマップは、インターネット接続が必須でしたが、今は事前に16km四方の地図を最大10枚読み込める「地図の事前キャッシュ」機能が追加されています。
      
  • 本機能により、事前に地図を読み込んでおけば、インターネット接続なしで地図表示ができます。
      
  • またGPSによる位置測定ができれば(GPSはインターネット接続が無くても動く筈)、「地図の事前キャッシュ」機能で表示された地図に現在地を表示できる筈です。
      

Googlemap
インターネット接続が途絶えても、Googleマップが利用できる事は、災害時や、SIM入手困難国訪問時などで有効利用ができるのではと、大きな期待を掛ける次第です。

香港からシンセン国境越え

以下旅行メモです。

  • 香港中心部から国境駅「羅湖(Lo Wu)」に電車移動
  • 香港中心部から羅湖までは、九広線の普通電車で30~40分で到着します。九広線移動中は香港の携帯は安定して繋がりました。
      
  • 九広線には、国境の羅湖までの普通列車が10分程の間隔で運行され、その合間を縫って香港からシンセンを経て北京に至る約2500kmを約24時間で走り抜ける国際特急列車が運行されています(写真左は九広鉄道の羅湖ー香港間の普通電車、右は香港発北京行きの特急列車:2009年撮影)。Kyuukourail
  • 香港出国
  • 羅湖駅で”シンセン”往きの表示に従って進むと、外国人は香港人・中国人と別の通路に導かれ、香港側出国イミグレーションに至ります。パスポートと出国書類をカウンターに差し出すと審査の後、出国スタンプが押され、香港出国となります。
      
    Pasportandform   
  • 香港の携帯電話は香港出国イミグレーションまで安定して繋がりましたが、カウンターを越えると急速に電波が弱まり、10m程行くと圏外表示になりました。シンセンで香港の漏れ電波を拾う期待がしぼむ瞬間です。
      
  • 香港の携帯電波の余りにも急速な弱まり方を見ると、人だけでなく電波の国境往来をも制限する政府の積極的な姿勢が伺えます。この目的のために、妨害電波発生装置などを稼働させているかもしれません。
      
  • 国境の川通過
  • 香港出国の先で、再び香港・中国人の通路に合流し、国境の川を渡ります。
      
  • 川の両岸にはそれぞれの国のイミグレーションと税関のビルがあます(写真は川の上を跨ぐ通路)。
      
  • 通路は一方通行で、香港→中国本土と、中国本土→香港と2階建構造になっているようです。

Border1Border2

  • 香港の携帯電波は、川を跨ぐ通路でも圏外のままでした。ちなみにこの場所は、前回訪問時に中国SIMを装着した携帯も圏外だった記憶があり、携帯電波の空白地帯のようでした。
      
  • 中国入国
  • 川を渡ると再度香港や中国籍の人々と異なる通路に導かれ、中国入国イミグレーションに到着します。
      
  • 中国入国書類を書き、パスポートと共にカウンターに出すと簡単な審査で問題なく中国入国スタンプが押されました。先の税関を越えると、いよいよ中国本土です。
       
  • 香港の携帯電話の電波は相変わらず圏外のままでした。

香港携帯を中国で使う第一の実験

  • いよいよ中国本土
  • 国境ビルを抜けて中国の大都市、シンセンに一歩を踏み出します。
      
  • 中国側の出国口は、鉄道駅シンセンの駅前広場で、地下鉄やバスターミナルが集まる交通の要衝です。出国口前に大ショッピングセンターがあり、賑やかです。但し、街の雰囲気は華やかな香港と異なり、少しギスギスした感じです(写真)。
      
  • 懸案の香港の携帯電波は圏外のまま、どうやら香港の漏れ電波でデータ通信を・・の実験は、失敗のようです。早くも白旗です!

Sz1_2Sz2_2Szekimae_3   

  • シンセンの街
  • シンセンは人口600万人大都会、香港同様に経済特区に指定されていて、日系企業など外国企業の進出が盛んな発展中の都市です。
      
  • しかし、その発展を底辺で支えるのは、民工と呼ばれる中国内陸部など貧しい農村から流れて来た膨大な数の出稼ぎ労働者です。
      
  • シンセンの人々の貧富の格差拡大により、不満を持つ人が多く、治安は悪いと言われています。
      
  • チョット怪しげでチョット怖い、ショッピングセンター
    香港では肩ぶらさげていたショルダーバッグを、盗難予防のたすき掛けにして、出国口前のショッピングセンターに入ります(写真)。
      
  • 案の定客引きがまとわりついてきましたが、完全無視で切り抜けます。但し、2010年訪れた時に比べると、客引きがかなり減った感じがします。治安は改善したのでしょうか。
  • Szshoppingcenter_2
  • まず携帯電話販店を覗いてみましたが、本物・偽物か判断がつかず、購買意欲は失われます。今回見るだけで終わりました。
      
    中国ではどこでも共通ですが、店員は写真のように不機嫌・威圧的です。
      
  • Szmobileshop

第二の実験:Googleマップの「地図の事前キャッシュ」機能は使えるか

 香港漏れ電波で通信の実験が失敗した事で、第二の実験の意義が増しました。

  • あらかじめ香港側でシンセンのマップ読み込み済み
    実験に使う国際版Galaxy Sには、事前にシンセン地区16km四方の地図を読み込んでおいたので、GPSで位置測定さえできれば、インターネット接続なしで現在地を地図上に表示してくれるはずです。
      
  • でも結果は失敗 原因はGalaxy Sの欠陥GPS
    所が・・・結果失敗でした 地図は表示されますが、自分の位置がプロットされず、単にシンセンの地図を眺めるだけになりました。
       
    原因はGalaxy SのGPS性能の低さにありました。Galaxy SのGPS は、当初から性能が低いとされていすが、その欠陥をA-GPSシステムで何とか補っていたようです。
      
    A-GPSは、ネットワークやWiFからのデータでGPSの性能を向上させる技術ですが、
    今回は中国SIMがなく、インターネットに接続できない事から、Galaxy SのGPSの欠陥がそのまま表面に出た形です。
      
  • 位置測定できない状況
    GPSテスト用アプリ”GPS Status”(写真)では、4基の衛星信号を受信していますが(測位/衛星の上の数字)、測位の数字が”0”で、1個の衛星データも位置測定に利用できていない事がわかります。その後何回か位置測定にチャレンジしましたが、状況は改善しませんでした。
      
      今回のようなA-GPSが利用できないケースでは、GPS単独で位置測定
      する事になりますが、この場合は最長十数分の時間を要する可能性が
      あります。

      
  • Gpsunfix
  • GPSによる位置測定は、原理的に数分以上の時間と、その間3基以上の衛星を捕捉している必要があります。しかし”GPS Status”で状況を見ると、捕捉した衛星を数秒で見失う症状が多発し、20分以上位置測定を継続しましたが、位置測定はできそうにありませんでした。
      
  • Galaxy SのGPSは本当にダメなのか
    インターネットやWiFiに接続されたオンライン状態では、Galaxy Sで位置測定できない問題はほとんどありませんでした。今回のようなオフライン状態では、GPS性能を補佐すすA-GPSが機能しないので、全く測定ができない最悪の結果になりました。
       
  • 結論として、Galaxy S単独でのGPSは”ダメ”ですが、A-GPS機能が使える普通の使い方をする限り、それなりに”使える”GPSとの筆者の評価です。
        
  • 但し、オフラインが予想される、SIMなし国境越えなどでは、Galaxy SのGoogleマップは使いものにならないとの認識を持ち、別の端末を用意するなどの対応が必要になります。

付録

携帯電話好きに是非見てほしいシンセンの携帯ビル

シンセンには携帯電話好きに見逃せない、”すごい携帯ビル群”があります(写真)。

Szmobilebldg2 Szmobilebldg

  • ビルの中には、間口2m程で壁がなくショーケースだけの店が無数にありとても怪しい雰囲気です。何の店かと言うと全て携帯電話がらみで、携帯電話本体の店、修理の店、部品屋、アクセサリー屋、また日本では見られない携帯電話組み立て屋など、何でもあり状態で店が乱立しています。
      
  • メーカー製でない山塞機など、怪しい携帯電話がこの地域一帯から生み出されているようです。
      
  • 日本人的には、とても物を買う気が起きない場所ですが、話題作りに訪問するのも良いかもしれません。但し、治安が良くないと言われているシンセンの中なので、安全に留意して下さい。
  • Szmobilebldg3_2 Szmobilebldg4Szmobilebldg5
  • 場所は、シンセン駅から地下鉄で4つ目の科学館駅と、5つ目の華強路駅の中間の深南中路の北側一帯です(結構広いエリア)。ここには携帯だけでなくコンピュータ関連製品を売る電脳街もあります。

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